【前回までのあらすじ】
大入道たちが人間の百物語をして呼び出した人間は、こともあろうか化け物の天敵坂田金時を演じる白猿でした。
大入道は見逃してもらう代わりに、二人の子ども(姉・お六、弟・ちょろけん小僧)を白猿に差し出しました。
白猿の家で大切に養われる大入道の二人の子どもでしたが、姉のお六は白猿の付き人の与四郎と禁断の恋に落ちてしまうのでした。
※この記事では、国立国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜加工して使用しています。
化物夜更顔見世 2巻 - 国立国会図書館デジタルコレクション (8ページ目です)
※画像は拡大できます。
【原文】
お六は川太郎と許婚《いゝなづけ》ありければ、入道、少々《セう/\》工面《くめん》の悪しき時、お六が支度金《したくきん》、河童《かつぱ》六十四両取りける故《ゆへ》、河童もお六が「今帰るか/\」と待ちても帰らぬ故、躍起《やつき》として入道を決め付ける。
「随分《ずいぶん》、娘ハ主《ぬし》に遣《や》るつもりだから、度々《たび/\》お六を返して下さいと人を遣ります」
「これさ、大概《たいがい》知れたもんだハ。逗留《とうりう》も逗留によつたものだ。今日で四五十日帰らぬお六を、やつぱり俺に「遣ろう/\」と言うが、俺ハかつぱり合点がいかねヱ。どふするのだ」
【現代語訳】
お六は川太郎の許婚でしたので、大入道は少々金回りが悪い時に、お六の支度金として、川太郎からカッパ六十四両[「8×8=64(はっぱろくじゅうし)」とかけた]受け取っていました。
なので、川太郎はお六が「今帰るか、今帰るか」と待っていても、なかなか帰ってこないので、ムキになって大入道を責め立てるのでした。
大入道「何とかして娘はあなたと結婚させるつもりだから、しつこく「お六を返してください」と人を遣わします」
川太郎「こうなることとは大体分かっていたが、それにしても長いことお六は白猿の所でやっかいになってるんだな!
今日で四五十日も帰らないお六を、あんたは「嫁に遣るから」と言っているが、かっぱり[「やっぱり」とかけた]オレは納得できねえ!
どうするんだよ!」
【解説】
お六は川太郎と許婚で、大入道はすでに支度金まで受け取ってしまっていたのです。
大入道は支度金は自分のために使ってしまったみたいで、お六を川太郎となんとしてでも結婚させなければならないようです。
しかし、お六には与四郎という恋人が。。。
化け物なのに「人をやります」と言ってるのがおかしいですね(笑)
金を渡している川太郎は強気です、白猿が現れた時には姿を消したくせに(笑)
さあ、やっかいなことになってきました!
ここで上巻は終わりです。
果たして、お六の運命はいかに???
【三つ目からの挑戦状~くずし字クイズ(前回の答え)】
【三つ目からの挑戦状~くずし字クイズ(正解は次回)】
ヒント
◆インフォメーション
※北見花芽の中の人も少しだけ担当しています。
※北見花芽の中の人も少しだけ担当しています。
北見花芽愛用のくずし字辞典です。
◆北見花芽のほしい物リストです♪
◆北見花芽 こと きひみハマめ のホームページ♪
◆拍手で応援していただけたら嬉しいです♪
(はてなIDをお持ちでない方でも押せますし、コメントもできます)
◆ランキング参加してます♪ ポチしてね♪
◆よろしければ はてなブックマーク もお願いします♪ バズりたいです!w