今回から、前回の『化物夜更顔見世』と同じ、桜川慈悲成作・歌川豊国画の『大昔化物双紙』(寛政七 [1795]年刊)を読んでいきたいと思います。
この作品も以前に取り上げたので、ひょっとしたら読んだことがある方もいるかもしれませんが、四年近く前のことなので、私もすっかり内容を忘れていましたヾ(๑╹◡╹)ノ"
※この記事では、国立国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜加工して使用しています。
大昔化物双紙 2巻 - 国立国会図書館デジタルコレクション (3ページ目です)
※画像は拡大できます。
【原文】
御存知の越後の国の大入道、一子を一ッ目小僧とて寵愛《ちやうあい》しけるに、此の小僧、親に劣らぬ化け巧者《ごうしや》にて有りしかば、数多《あまた》の化け物、入道《にうだう》に言ふ様《やう》、
「一ッ目殿、今は天晴《あつぱ》れの化け様なれば、入道は隠居《ゐんきよ》して、世を一ッ目に譲り給へ」
と勧めけれバ、入道も仲間の勧めによりて、我が一ッの目を刳《く》り貫《ぬ》き小僧に譲り、我が身は目一ッ坊と改め、世を遁《のが》れて暮らしけり。
「小僧めに世をバ渡したが、味をやれバいゝが、昔と違つて今は化け物も大分《だへぶ》し難《にく》い
が」
【現代語訳】
みなさんご存知の越後の国[現在の新潟県]の大入道、一人息子の一つ目小僧をたいそう可愛がっていました。
この一つ目小僧は、親の大入道に負けないくらい化け物として優秀でした。
多くの仲間の化け物たちは、
「一つ目小僧殿は今や素晴らしい化け物になったので、大入道殿は隠居して、家督を一つ目小僧殿にお譲りなされ」
と勧めました。
大入道は仲間の勧めにより、自分の目を一つくりぬいて小僧に譲り、自分の名前は目一つ坊と改め、世間から離れて暮らしました。
大入道 改め 目一つ坊
「小僧のやつに家督を譲ったものの、うまいことやれればいいが、昔と違って今は化け物稼業もだいぶやりにくくなったから心配だ」
【解説】
『化物夜更顔見世』と同じ越後の国の大入道が登場しますが、全く別のお話になってますので、『化物夜更顔見世』の設定はもう忘れてくださいねヾ(๑╹◡╹)ノ"
ただ、入道の子どもが小僧なのは定番のようです。
どうやら一つ目から二つ目になることが一人前の証しのようですが、さすが化け物らしく、目をくりぬいて渡しても平気なんですねヾ(๑╹◡╹)ノ"
家督を譲られて小僧は入道を襲名するわけですが、さてさて、うまくやっていけるのか、次回に続くヾ(๑╹◡╹)ノ"
この子かわいい♪
【一つ目からの挑戦状~くずし字クイズ(前回の答え)】
【一つ目からの挑戦状~くずし字クイズ(正解は次回)】
ヒント
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※北見花芽の中の人も少しだけ担当しています。
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