【前回までのあらすじ】
遊郭の化けの里で、越後の大入道の跡を継いだ今入道と、丹後のヒヒの養子の見越入道は、新屋の毛女郎を巡ってケンカを始めましたが、毛女郎が間に入って、その場は何とか収まりました。
※この記事では、国立国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜加工して使用しています。
大昔化物双紙 2巻 - 国立国会図書館デジタルコレクション (8ページ目です)
※画像は拡大できます。
【原文】
「入道さん、疑ひが晴れたハいのう」
今入道、毛女良へ心中《しんぢう》に片/\の目を刳《く》り貫《ぬ》いてやる。
「痛い/\、目板鮃《めいたびらめ》ときてゐる」
手水鉢《てうづばち》の化け物、水鏡《みずかゞミ》に此の由《よし》を見て、狒ゝに告げる
【現代語訳】
毛女郎「今入道さん、トラブルが解決してよかったですのう」
今入道は毛女郎への愛の証《あかし》として、片方の目をくりぬいて渡しました。
今入道「目が痛い! 目痛! 目板鮃《めいたびらめ》!」
[「目板鮃《めいたびらめ》」は、「目板鰈《めいたがれい》」の間違いか。「目板鰈《めいたがれい》」は魚のカレイの一種。「目板《めいた》」と「目痛《めいた》」を掛けている]
手水鉢の化け物は、水面に映してこの様子を盗み見て、ヒヒに報告しました。
【解説】
下巻の始まりです。
何があったか詳しい事はわかりませんが、どうやら見越入道は引き下がったようです。
今入道は毛女郎への愛の証として、片方の目をくりぬいて渡しますが、当時は男女の別なく、愛を示す手段として、指などの体の一部を切ったりして渡すのは、珍しいことではありませんでした。
今入道はギャグを言う余裕があるので、実はそれほど痛くないのかもしれません(笑)
なぜか今入道の首が見越入道みたいに伸びていますが、おそらく単なる作画ミスですヾ(๑╹◡╹)ノ"
もちろん、ヒヒ側はただでは引き下がらず、今入道が不利になる情報を得るために、スパイを送り込んで様子をうかがっていたようです。
そして、今入道は、よりによって大入道から家督を譲った証として与えられた片目を、毛女郎に渡してしまったのを見られてしまったのです。
【一つ目からの挑戦状~くずし字クイズ(前回の答え)】
【一つ目からの挑戦状~くずし字クイズ(正解は次回)】
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※北見花芽の中の人も少しだけ担当しています。
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