【前回までのあらすじ】
越後の国の大入道は息子の一つ目小僧に片目を与えて家督を譲ります。
一つ目小僧は今入道と名乗るようになりますが、遊郭の化けの里で愛の証として毛女郎に親から貰った片目を与えてしまいます。
それにつけこんだ丹波のヒヒは、養子の見越入道が今入道から受けた恥辱の仕返しに、今入道を化けの里から追い出し、毛女郎を揚げ詰めにしてしまいます。
毛女郎は今入道の後を慕って化けの里を抜け出し、いざ心中という時に、古入道[大入道]に発見されて心中は未遂に終わりました。
※この記事では、国立国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜加工して使用しています。
大昔化物双紙 2巻 - 国立国会図書館デジタルコレクション (12ページ目です)
※画像は拡大できます。
【原文】
「子にハ目の無い親心」[「親に目なし」と同じようなことわざか]と古入道、何卒《なにとぞ》倅《せがれ》を化け物 大将《だいしやう》にしたく思ひ、後に残りしたつた一つの目をまた刳り貫きて、倅に遣りければ、毛女郎も「これぞ夫婦の片目《かため》なり」とて始め貰ひし目を刳り貫き、今入道に渡しけれバ、今ハ天晴《あつぱ》れ名誉の化け物大将「越後の国の三ッ目入道」とて化け物仲間恐れをなしけるとぞ。
「此方《こち》の人、入道殿。天晴れ/\」
と褒めても見る目が無い奴さ[「見る目がない」という慣用句ではなく、実際に目が無いというシャレ]。
「ヲヽ/\、そふだぞ/\、もつと、「もゝんぢィー引」と長ァく引つ張れ/\/\」
【現代語訳】
「子には目が無い親心[親は子にデレデレ]」とは言うものの、古入道は息子[今入道]を何としてでも化け物大将にしたくて、最後に残ったたった一つの目を再びくりぬいて、今入道にあげてしまいました。
毛女郎も「夫婦の片目[「夫婦の固め]とかけた]です[夫婦の契りの証《あかし》です]」と、今入道から貰った目をくりぬき、今入道に渡しました。
そして、今入道は、今や名高い天下の化け物大将「越後の国の三つ目入道」となり、化け物仲間の誰もが恐れる存在となったのでした。
「あなた、いえ、入道殿、アッパレ、アッパレ!」
と毛女郎は褒めるものの、その姿を見る目がないという。
古入道「おお、そうだ、そうだ、もっと「ももんじい〜〜〜」っと長く引っ張って言え!」
【解説】
一つ目小僧が二つ目になり、そしてとうとう三つ目入道になりました。
化け物大将となって喜んでいるかと思いきや、見てください、この三つ目入道の微妙な表情を(笑)
どうやら、やっぱり、毛女郎には元々、目鼻口がなかったみたいですね。
髪を掻き分けてみても、顔が無くて毛だけなのでしょうね、、、怖いっ!!!
「ももんじいー引」の「引」は、現在の「-」「〜」のように単に伸ばす記号として使われているようです。
「じい」と「引」で、「字引」とかけているのかもしれません。
それにしても、一つ目小僧時代の脅かすセリフ「ももんじい」は、三つ目入道になっても続けるようで(笑)
「ももんじい〜〜〜〜」と、もっと長く言えと古入道はご機嫌にアドバイスを送ります(笑)
踊って大喜びの毛女郎と古入道を横目に、三つ目入道は何だか複雑な表情をしていますが、一応、ハッピーエンドと言うことでいいですよね?(笑)
おや、本編は終わったはずなのですが、まだ1ページ残っているみたいです。
次回に続く。
【一つ目からの挑戦状~くずし字クイズ(前回の答え)】
【三つ目からの挑戦状~くずし字クイズ(正解は次回)】
お久しブリ大根!ヾ(๑╹◡╹)ノ"
三つ目入道が出てきたから、僕の出番も復活したよ~ヾ(๑╹◡╹)ノ"
ヒント
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※北見花芽の中の人も少しだけ担当しています。
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