うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~

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一日目『稲生平太郎妖怪記』(『稲生物怪録』)

 

 

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(平太郎を掴む大きな鬼の手)

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権八の蚊帳の外を歩き回る一つ目童子

新日本古典籍総合データベース
※この記事では、国文学研究資料館所蔵品の画像データを適時加工して利用しています。 (CC BY-SA 4.0)
※画像は拡大できます。

【原文】

扨《さて》、百物語せし後も何事も無く過ぎしが、「其の術《わざ》有れば、其の印《しるし》有りける」にや、六月も過ぎ、七月朔日の夜、平太郎権八が両家に、また類《たぐひ》無き化け物来たりける。

平太郎が宅に出でしハ、其の形定かに見えざれども、小山とも思《おぼ》しき程、鬼の如くなる者、眼《まなこ》は一ッにて、其の光、表の方より写りける程に、平太郎臥したる側《そば》なる障子《しやうじ》、火の輝くが如くにて、平太郎も驚き、「然《さ》らば、實証《じつしやう》を見ばや」と障子を開かんとせしに、少しも開かず。
猶《なほ》、押し開けんとセし内に、障子引き裂け、大いなる髭手にて平太郎を一掴《ひとつか》みにぞしたりける。
扨《さて》、「放たじ」「放たん」と引き合ひし程に、着物も帯も引き破り、「どふ」と倒れける。
平太郎、倒れしを幸《さひはひ》いに、寐間を探り、刀を取りて、すぐに立ち上がりけるに、化け物ハ早や其の隙に居間なる床の下に入りにける。

其の時、権八が許《もと》に来たりしハ、童《わらべ》の如くなる者なりしが、一眼を輝かし、権八が臥したる蚊帳《かや》の外を廻りしに、権八は一身を縮め、動くことも能《あた》わず。
只《たゞ》、遥かに平太郎が許なる騒動を聞く斗《ばかり》にて、行く事もならざりしに、やゝ有りて、其の騒動も止みしと覚えし頃は、彼の童も何処《いずく》にや行きけん、更に見えざりける。

夫《そ》れゟ《より》権八は、平太郎が宅に来たり、互ひに此の様《さま》を語り合い、「猶、此の後、怪しき事有りなん。共に化け物退治せん」と申し合はせける。

扨、平太郎が奴《やつこ》は、宵《よひ》の騒がしかりし頃は、念佛のミにて有りけるが、後ハ気を失ひて、臺所に倒れ臥しぬ。
夜明け、事終わりし後、漸《やうや》く正氣とはなりける由《よし》。

全て此の夜は、近き方の家〻迄、夜もすがら襲われし様《やふ》にて有りけるとぞ。
誠に怪しき事どもなり。

【現代語訳】

 さて、百物語をした後も、しばらくは何事もなく過ぎたのですが、「それなりの事すればそれなりの事起こる」とは言ったもので、六月も過ぎ、七月一日平太郎権八両方の家に、これまで見た事がないような化け物がやって来たのでした。

 平太郎の家に出たのは、その姿ハッキリとは見えませんが、小山と思う程大きい鬼のような者で、目は一つでした。
 その目の光は、平太郎寝ている横障子に、表の方から燃えるように激しく写ったので、平太郎驚き、「正体見てやろう」と、障子開けようとしましたが、少しも開きませんでした。
 それでも押し開けようとしていると、障子引き裂け大きな毛むくじゃらの手が、平太郎一掴《ひとつか》みにしました。
 さて、「放せ!」「放さん!」引っ張り合っている内に、平太郎着物引き裂かれ、平太郎「どっ」倒れました。
 平太郎は倒れて化け物の手から逃れたのを良いことに、寝床探り取って、すぐに立ち上りましたが、化け物その間に、すでに居間床下に入っていました。

 一方、権八の所に来たのは、童子のような者だったのですが、一つ目を輝かせ、権八寝ている蚊帳の外歩き回りました。
 権八身が縮んで、動くこともできませんでした。
 ただ、はるか遠く平太郎の所での騒ぎの様子聞こえてくるものの、行くこともできませんでした。
 しばらくして、平太郎の所騒ぎ終わったと思われるには、その童子もどこかに行ってしまったのか、その姿見えなくなっていました。

 それから権八平太郎の家に行き、お互い化け物が現れた様子語り合い、「おそらく、これから先も怪奇現象が起きるだろう。一緒化け物退治しよう」と誓ったのでした。

 さて、平太郎の使用人は、夜の騒ぎがあったは、念仏を唱えるしかなかったのですが、そのうち気を失って台所ぶっ倒れました。
 夜が明けて、騒ぎ収まってから、やっと意識を取り戻したということです。

 この夜は、平太郎の近所の家までも全て、一晩中化け物に襲われたとのことです。
 なんとも不気味な出来事です。

【解説】

 百物語をして、ひと月以上たってから、忘れたころ時間差化け物たち平太郎と権八の所にやってきました。

 化け物襲撃の準備ひと月かけたのでしょうか?ヾ(๑╹◡╹)ノ"

 一日目現れたのは、一つ目鬼一つ目童子ですかね。

 結局、二人とも何も対処出来なかったみたいですが、二日目からは化け物退治大活躍をすることでしょうヾ(๑╹◡╹)ノ"

 ふう、化け物現れるのは三十日間なので、このシリーズ最低でもあと二十九回続くということです。

 最後まで北見花芽の気力持つでしょうか? 応援よろしくお願いしますヾ(๑╹◡╹)ノ"

 何日目現れれば良いのかな?ヾ(๑╹◡╹)ノ"

 

【三つ目からの挑戦状~くずし字クイズ(前回の答え合わせ)】

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【三つ目からの挑戦状~くずし字クイズ(正解は次回発表)】

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◆インフォメーション

※北見花芽の中の人も少しだけ付録CDで担当しています。

※付録CDに『武太夫物語絵巻』(『稲生物怪録』)が収録されています。

北見花芽愛用のくずし字辞典です。

 

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