(大きな坊主)
新日本古典籍総合データベース
※この記事では、国文学研究資料館所蔵品の画像データを適時加工して利用しています。 (CC BY-SA 4.0)
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【原文】
七日の夜は、彼是《かれこれ》馴染《なじ》みの人〻申し合ひして、「棒に弓よ」と所持したる所に、権八は鎗《やり》引つ提《さ》げ来たり、やがて門の外を巡りしに、壁より内に大いなる坊主の如き者立ち廻りけるを見し故、「心得たり、いで突き留めばや」と鎗取り直し、突いて掛ゝりたるに、其の鎗をバ彼の坊主「やらん」と引つ手繰《たく》り取りければ、権八は興を醒まし、内に帰りて其の様子を語りけるに、彼の槍は早《は》や先程に門の方より内に入り、有り逢ふ一人の鬢先《びんさき》に押し当たり、又裏の方に飛び出しける由《よし》。
集まりし皆/\は慄《おのゝ》き恐れて静まり居たりしが、早や暇《いとま》申して帰りけるとぞ。
【現代語訳】
七月七日の夜は、なんだかんだ平太郎と仲の良い人たちが相談して、「棒だ!弓だ!」と武器を持って集まりました。
権八は槍をひっさげてやって来て、すぐに門の外を巡回しました。
すると壁の内側で大きな坊主のような者が歩き回っているのを見つけました。
「そこにいるのは分かっている! 槍で突いてとどめを刺してやる!」と権八が槍を持ち直し、突いてかかると、その坊主は「やってやろうじゃないか」とその槍を引ったくって取ってしまいました。
権八はドン引きして、家の中に入り、先ほどのことを話すと、その槍はついさっき門の方から家の中に入ってきて、たまたまそこにいた人の鬢先《びんさき》に押し当たって、そのまま裏の方に飛び出していったということでした。
集まった人々は恐れおののいて、静まり返っていましたが、すぐに別れの挨拶をして帰って行ったという事です。
【解説】
坊主に槍を突いたらあっさり取られて家の中に投げ込まれてしまいました。
これは危険です、下手に武器で攻撃したら殺られるということですヾ(๑╹◡╹)ノ"
どうやら、平太郎の家に毎日現れるのは、ただ脅かすだけではなく、危害も加える妖怪のようです。
坊主って聞こえたけど、僕のこと呼んだ?
お前は坊主でも何でもなくて、ただのハゲだろヾ(๑╹◡╹)ノ"
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