(天井から舌を出して平太郎を舐める老女の顔 と 勝手に動く唐臼)
※左奥の障子の向こうに見えるのが唐臼。
新日本古典籍総合データベース
※この記事では、国文学研究資料館所蔵品の画像データを適時加工して利用しています。 (CC BY-SA 4.0)
※画像は拡大できます。
【原文】
十四日の夜は、裏なる唐臼《からうす》、我と我が一人、臼 搗《つ》きける。
平太郎是を見て、誠に白げざる米を臼壺に入レ置きしに、明くる日迄も臼搗事止まざりけれど、米は白げもセで有りしとなり。
替わりたる事ども也。
此の夜、更《ふ》けて後なりしが、平太郎が臥したる上の天井一面に老女の顔となりて、やがて長き舌を出し、蚊帳《かや》を貫き、臥したる平太郎を舐《ねぶ》りしが、取り合ひもせで、其の侭《まま》寝《いね》しに、後は次㐧/\に消へ失せしとなり。
勇氣なる事ども也。
【現代語訳】
十四日の夜は、裏にある唐臼が、一人で勝手に動きはじめました。
平太郎はこれを見て、実際に精米していない米を臼壺《うすつぼ》に入れておいた所、翌朝までも唐臼は動き続けていたのですが、米は全く精米されていなかったということです。
おかしな事ですね。
この夜が更けてからは、平太郎が寝ている上の天井一面が老女の顔となり、やがて長い舌を出し、蚊帳《かや》を貫《つらぬ》いて、寝ている平太郎を舐《な》めました。
しかし、平太郎は相手もせず、そのまま寝ていたので、その後、老女は徐々に消え失せたということです。
これもまた平太郎の勇気を物語るエピソードです。
【解説】
平太郎は、唐臼が勝手に動く怪奇現象を有効利用しようと、精米にチャレンジしますが、動いているように見えただけなのか、なぜか実際には精米されていないというヾ(๑╹◡╹)ノ"
やはり怪奇現象は、あくまでも怪奇現象なのでしたヾ(๑╹◡╹)ノ"
そして、老女に舐められるのをスルーする平太郎君、もはや勇気があるのとは違う次元のような気がするのですが???ヾ(๑╹◡╹)ノ"
僕には勇気はないけど、変なことを言う気はあるよヾ(๑╹◡╹)ノ"
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