(数千匹の蝶が飛び回る)
(石塔が青い火を出して燃える)
新日本古典籍総合データベース
※この記事では、国文学研究資料館所蔵品の画像データを適時加工して利用しています。 (CC BY-SA 4.0)
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【原文】
廿四日の昼は、大い成る蝶一ツ飛び来たり、此処彼処《こゝかしこ》を飛び廻りしが、程無く小さくなると見えて、数千の小さき蝶と化し、居間の内一面に飛び廻りしとぞ。
夜に至りてハ行灯《あんどう》灯《とぼ》しけるに、其の行灯 忽《たちま》ちに石塔と変じける。
「不思議なる術《わざ》かな」と見しに、やがて塔の元より青き火、凄《すさ》まじく燃え出て、石塔は焼け失せ、元の如く行灯と成りにける。
誠に操《あやつ》りの一入《ひとしほ》手際なるが如く也とぞ。
【現代語訳】
七月二十四日の昼は、大きな蝶が一匹飛んで来て、アチコチ飛び回ったのですが、そのうち小さくなったかと思ったら、数千匹の小さな蝶になって、居間の中、一面に飛び回りました。
夜になり、行灯《あんどん》に火を灯《とも》すと、その行灯が突然石塔に変わりました。
平太郎が「化け物も不思議な妖術を使うなあ」と思って見ていると、そのうち石塔の根元からから青い火が激しく燃え出して、石塔は焼け失せて元の行灯になりました。
実に化け物の妖術が、ますます巧みになってきたということです。
【解説】
昼は大きな一匹の蝶が、小さな数千匹の蝶に変化します。
蛾じゃなくて良かったですねヾ(๑╹◡╹)ノ"
夜は行灯が石塔に変わり、石塔が青い火に包まれて行灯に戻るというイリュージョン。
百物語をする際に、行灯に青い紙を貼るのですが、それを踏まえているのですかね。
kihiminhamame.hatenablog.com
青い火と言えば青鷺の火がすぐに思い浮かびます。
kihiminhamame.hatenablog.com
怪異の火は青いというのが定番なのでしょうね。
ミツメ蝶々だよ~ヾ(๑╹◡╹)ノ"
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