そういえば、今年は正月らしい記事を書かなかったなと思いまして、今回は今更ながら新春っぽいのをヾ(๑╹◡╹)ノ"
以前、豆腐小僧大集合の記事で紹介した、『化物年中行状記』(十返舎一九作画、寛政八[1796]年刊、黄表紙)の豆腐小僧の類似妖怪が登場するページをヾ(๑╹◡╹)ノ"
kihiminhamame.hatenablog.com
※この記事では国立国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜改変して使用しています。
年中行状記 : 2巻 - 国立国会図書館デジタルコレクション
※画像は拡大できます。
【原文】
轆轤首《ろくろくび》の子供は、小さい時より人間の子が凧を揚げる如く、己《うぬ》が首を段/\伸ばし習ふ事有り。
女の子供ハ手毬《てまり》の代わりに火の玉を突いて遊ぶ。
皆、春先の子供の遊びなり。
「姉《あね》さん、俺等《おいら》もあんなに首が伸ばしたい」
「まだ手前《てめへ》達やァ小さいから、今から首を伸ばすと千切れてしまわァ。
そんなに無理を言ふと金平《きんぴら》に遣るぞよ」
「それ/\、烏《からす》が来たァ。目玉でも突《つゝ》かれぬ様《やう》に糸を引け/\」
「良く揚がつたら、火の玉を遣って、火炎を吹かせろ」
「首ハ己《うぬ》が口でふう/\/\と唸《うな》つている」
「今日《けふ》ハ風が強いから、一層《いつそ》水鼻が出ゝならねへ。もう下ろせ/\」
「コレ/\、木の枝へ鼻柱が引っ掛ゝらァ。アゝ、気の利かねへ」
と己《うぬ》が手を叱り付ける。
「昨日《きんのう》も俺等が所《とこ》の物干しへ、何処《どこ》のか首が切れて来て、引っ掛ゝつていた」
「俺等も金玉を伸ばして習ふべい」
【現代語訳】
ろくろ首の子どもは、小さい時から、人間の子どもが凧《たこ》を揚げるみたいに、自分の首を少しずつ伸ばす練習をして遊んだりします。
ろくろ首の女の子は、手毬《てまり》の代わりに火の玉を突いて遊びます。
どちらも春先の、ろくろ首の子どもの遊びです。
ろくろ首の子どもA
「姉さん、オイラもあんな風に首を伸ばしたいよ」
ろくろ首の姉
「まだ、お前たちは小さいから、今のうちから首を伸ばすと、首がちぎれてしまうよ。
そんな、無茶なことを言うと、金平《きんぴら》の所に連れてくよ」
ろくろ首の子どもB
「おやおや、カラスが来たよ! 目玉を突かれないように、糸(首)を引っ張れ、引っ張れ!
うまく揚がったら、火の玉を使って火炎を吹かせてよ!」
ろくろ首の子どもC
「凧なら風で音が鳴るが、首だから、口でフウフウと唸って音を出してるよ。
今日は風が強いから、すごく鼻水が出てしかたない。もう下ろせ、下ろせ。
おいおい、木の枝に鼻柱が引っ掛かりそうだ、気が利かないやつだなあ」
と、首を引く自分の手を叱り付けています。
「昨日もオイラの家の物干しに、誰かの首がちぎれて引っ掛かっていた」
小間使いの妖怪(タヌキ)
「オイラもキャンタマを伸ばす練習をして遊ぼう」
【解説】
新春、人間の子どもが凧揚げをするように、ろくろ首の子どもは、首揚げをするという(笑)
ろくろ首の世界では、首がちぎれる事故が多発のようで。。。
首揚げをするろくろ首の子どもの横にいるのは、犬張子の妖怪でしょうねヾ(๑╹◡╹)ノ"
ろくろ首の姉が、小さいろくろ首の子どもを脅す「金平《きんぴら》に遣るぞよ」と言うセリフの「金平」は、坂田金時(金太郎)の息子の坂田金平のことで、金時同様に妖怪の天敵とされていました。
小間使い姿の豆腐小僧類似妖怪は、おそらくタヌキが化けた姿でしょう。
お尻からシッポが出ていますヾ(๑╹◡╹)ノ"
ろくろ首が首を伸ばすように、タヌキはキャンタマを大きく広げるのが得意ですヾ(๑╹◡╹)ノ"
後方に見える「正一位稲」というのは、稲荷神社の幟《のぼり》でしょう。
タヌキが出ているから、キツネもという事でしょうか?
僕は竿を伸ばして遊ぶよ!ヾ(๑╹◡╹)ノ"
※釣り竿の事です。
※ちなみに、こちらは釣りの歌です。
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