山本八左衛門作『男色子鑑《なんしょくこかがみ》』(元禄六[一六九三]年刊)巻四の一「縁は朽ちせぬ二世の契り」の続きですヾ(๑╹◡╹)ノ"
※この記事では国立国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜改変して使用しています。
男色子鑑 5巻 - 国立国会図書館デジタルコレクション
【原文】
されど、小姓《こしやう》吉崎鹿之助《よしざきしかのすけ》とは心の底《そこ》の人知れぬ中、佐左ヱ門は萬事 花車《きやしや》なる仕出し、一家中にても風流男《ヤさおとこ》、鹿之助より状付けて、世間に稀《まれ》なる衆道《しゆだう》、「己程《をれほど》果報《くわほう》な者は有らじ」と、吾《われ》ながら嬉敷《うれしく》、一日 逢《あ》はねば、千年も疎《うと》き心地、此度の国帰り、鹿之助が歎《なげ》きに、佐左ヱ門も当惑《たうわく》して、「脆《もろ》き涙の水離《みずばな》れは、いつでもこんな物じや」と、やう/\[漸う]に合点させ、旅拵《たびごしら》へそこそこにして、「他《ひと》の国の孟宗《もうそう》は寒《かん》の内に笋《たけのこ》の掘《ほ》り出《だ》しせしが、我も親仁の好物《かうぶつ》」と時ならぬ水梨《みずなし》、「さりとては、京の自由さ、金《かね》さへあれば六月に火桶買ふと、地獄極楽を生まれながら見ようとまゝじや」と、糊売《のりう》りの嬶《かか》が世迷言《よまひごと》も、是にて知りぬ。
【現代語訳】
しかしながら、小姓《こしょう》[殿の側に仕える少年、男色の対象となった]の吉崎鹿之助《よしざきしかのすけ》と佐左衛門は、心の底から人知れぬ良い仲でした。
佐左衛門は全てにおいて優雅な装いで、一家の中でも一番の風流男でした。
そんな佐左衛門に惚れて、鹿之助の方からラブレターを送り、二人は世間でもめずらしいほど深い男色関係になったのでした。
「俺ほど幸せな者はいない」と鹿之助は、自分の事ながら嬉しく、一日会わなかっただけで、千年も離れ離れになった気持ちになるのでした。
そこで今回の佐左衛門の帰郷、鹿之助があまりにも嘆くので、佐左衛門は困り果てましたが、
「別れというものは、いつでも涙ながらで、こういうものじゃ」と、なんとか鹿之助を納得させて、旅支度も適当に、佐左衛門は出発したのでした。
「中国の孟宗は、寒い時期にタケノコを掘り出したというが、私も親父の好物を」と佐左衛門は季節外れの水梨を求めました。
「さてさて、京都は自由な所で、金さえあれば、六月に火桶を買う事も、地獄や極楽を生きたまま見る事も、思うままにできる」と、糊売りのおっかさんがクドクドと言っていたことの意味が、今になってようやく佐左衛門には分かったのでした。
【解説】
ここで佐左衛門と男色の関係にある鹿之助が登場します。
どうやら、この鹿之助がこのお話のキーマンとなりそうです。
もちろん、殿の小姓と男色に関係になることはご法度なので、二人はナイショで付き合っています。
佐左衛門にゾッコンラブな鹿之助は、佐左衛門が帰郷するのを悲しみますが、なんやかんや言って佐左衛門は京都を旅立って越後に向かいます。
僕は胡椒をかけすぎてクシャミが出たよヾ(๑╹◡╹)ノ"
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