『男色子鑑』巻四の一「縁は朽ちせぬ二世の契り」の続きですヾ(๑╹◡╹)ノ"
ちゃんと、下の方に現代語訳と解説がありますよヾ(๑╹◡╹)ノ"
※この記事では国立国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜改変して使用しています。
男色子鑑 5巻 - 国立国会図書館デジタルコレクション
【原文】
遥々《はる/゛\》の道中、「雪吹《ふぶき》の為《ため》の𤋎大豆《いりまめ》に花は咲くとも、親仁の氣色は寒の開き前、浮雲《あぶなし》」と急ぐ心に里人の雪舟《そり》引く形《なり》も余所《よそ》に見なし、日数程経て行《ゆ》き着《つ》けば、「悲《かな》しや、三日前に㝡早《もはや》親仁様はあの世の風が誘ひました」と聞くより、はつと胸《むね》迫り、「迚《とて》も逢《あ》ひ見ぬ物ならば、下るまい物、離《はな》れ難《がた》き中を生《い》き別《わか》れにし、遙〻《はる/゛\》の憂《う》き難所《なんしよ》凌《しの》ぎ来る甲斐《かひ》も無く、死《し》に目《め》に逢わぬ口惜《くちお》しき、我が身一人の悲しびに、落ちて帰らぬ涙川《なみだがハ》」、忌日《きにち》/\の吊《とぶら》ひ念頃《ねんごろ》に営み、京都の首尾も心許無《こころもとな》く、親《した》しき方へ暇乞《いとまご》ひして、時鳥《ほとゝぎす》の鳴《な》き出《だ》す頃、越後を立ちて上りけり。
【現代語訳】
はるばる越後への道中、
「暖かくなり、吹雪の時の非常食の煎り豆に、花が咲くことがあったとしても、親父の容体は、寒さが和らぐ前が危ないだろう」
と、心配のあまり佐左衛門は村人がソリを引く姿さえも目に入りません。
何日もかけて越後の国本にたどり着くと、
「悲しい事に、親父様は三日前にもうあの世の風に誘われて逝ってしまわれました」
ということでした。
佐左衛門はそれを聞くやいなや、ハッと感情がたかぶってきて、
「どうせ生きてるうちに会えないと分かっていたら、帰郷などしなかったのに。
離れたくない鹿之介と生き別れになり、はるばる越後までつらい難所を越えてきたかいもなく、親父の死に目に会えないとは、残念すぎる。
私だけにしかわからない悲しみで、流した涙は落ちたまま元には戻らず、川のようになっている」
と嘆くのでした。
忌日ごとの法要をしっかりと行い、京都の鹿之介のことも心配なので、親しい人々に別れのあいさつをして、ホトトギスが鳴き出す季節[初夏]に、佐左衛門は越後を出発して京都へ向かったのでした。
【解説】
京都から越後は、今でも遠いのに、当時はとてつもなく遠かったことでしょう。
苦労して越後にたどり着いたものの、残念ながら佐左衛門は父親の死に目にあえませんでした。
法事があるのですぐには帰れず、雪が積もる季節に出発したのに、帰る時はもう初夏になっていました。
佐左衛門は鹿之介のことが気掛かりなのですが、はてさて鹿之介は???
ホトトギスは「テッペンカケタカ」って鳴くんだよねヾ(๑╹◡╹)ノ"
三つ目は「テッペンハゲタカ」て言われて泣くんだよねヾ(๑╹◡╹)ノ"
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