続きです、さて、鹿之助はどうしていたのでしょうか?
初めてのみなさま、ちゃんと、下の方に現代語訳と解説がありますのでヾ(๑╹◡╹)ノ"
※この記事では国立国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜改変して使用しています。
男色子鑑 5巻 - 国立国会図書館デジタルコレクション
【原文】
されば、鹿之介は明《あ》け暮《く》れ佐左ヱ門別れを悲しび、
「今日《けふ》よ、明日よ」
と待てども、弥生の頃まで帰らぬ人を待ち侘《わ》び、何時《いつ》となく煩《わづら》ひ出《だ》し、次第に氣力も衰《をとろ》へ、陽炎《ひなた》の氷、水の哀れと消《き》えしを、佐左ヱ門は夢にも知らず、美濃路《みのぢ》を過ぎて、近江《あふミ》と聞くも嬉しく、
「頓而《やがて》君に粟田口《あはたぐち》[「君に逢《あ》ふ」「粟田口《あはたぐち》」をかけた]も近《ちか》し」
と、急ぐ心の入相《いりあひ》頃[「心の入る」と「入相《いりあひ》」をかけた]に宿に着き、
「先《ま》づ此の由を鹿之介に嬉しがらして、どうしてこうして、先づ早やう逢《あ》はん」
と、支度《したく》もせず、鹿之介が部屋《へや》へ行けば、嬉しさふ成《な》る顔付《かほつ》きにて、頃日《ひごろ》の恋しさ、泣いつ笑《わら》ふつ語りしが、
「先づ/\支度させまして」
と、手づから拵《こしら》へ膳《ぜん》据《す》ゆれば、精進飯《しやうじんめし》の水臭く、半《なか》ば残して指《さ》し置《お》き、夜半《やはん》の頃まで咄《はな》し、宅へ帰り、
【現代語訳】
さて、鹿之助は一日中佐左衛門との別れを悲しみ、「今日帰ってくるのか、明日帰ってくるのか」と待ち続けました。
しかし、三月ごろになっても帰ってこない佐左衛門を待ちわびすぎて、いつの頃からか病気がちになり、次第に気力も失って、日なたの氷が溶けて水になって消えるように、かわいそうなことに鹿之助は亡くなってしまいました。
佐左衛門は鹿之助が亡くなったとは夢にも知らず、美濃路を過ぎて近江[滋賀県]という地名を聞くと嬉しく、「粟田口[京都]も近いから、もうすぐ鹿之助に会える♪」と心もはやり、夕暮れの頃に家に着きました。
「まずは帰ってきたことを伝えて鹿之助を嬉しがらせて、ああ、どうにもこうにも、もうとりあえず早く会いに行こう!」
と何の身支度もせずに、佐左衛門は鹿之助の部屋に行きました。
すると、鹿之助は嬉しそうな顔つきで、離れていた間の恋しさを、泣いたり笑ったりして語りました。
そして、
「まずは、食事の用意をさせましょう」
と、鹿之助は自ら料理を運んできました。
しかし、精進料理で味が薄く、半分残して放って置き、夜中まで話して、家に帰りました。
【解説】
かわいそうに、鹿之助は佐左衛門の帰りを待ちわびたまま亡くなってしまいます。
しかし、佐左衛門が帰ってきたら普通に部屋にいて、二人は話しこむのです。
そう、このお話は男色+ホラーだったのですヾ(๑╹◡╹)ノ"
佐左衛門が食べた料理って。。。
ホラーは苦手だよ~ヾ(๑╹◡╹)ノ"
いやいや、お前の存在自体がホラーだろヾ(๑╹◡╹)ノ"
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