続きです、さて、佐左衛門は鹿之助が亡くなったことを知らずにお殿様に挨拶にいきますが?
初めてのみなさま、ちゃんと、下の方に現代語訳と解説がありますのでヾ(๑╹◡╹)ノ"
※この記事では国立国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜改変して使用しています。
男色子鑑 5巻 - 国立国会図書館デジタルコレクション
【原文】
早朝より身拵《みごしら》へ、登城《とうじやう》して、佐右ヱ門 相果《あいは》てし様子、涙ながらに申しあへれば、大守《たいしゆ》は、「其の方留守の内、鹿之助が死去《しきょ》の事、定め無きは浮世 成《なり》」と涙汲《なみだぐ》みての御挨拶《ごあいさつ》、佐左ヱ門飲ミ込まず、夜前も慥《たし》かに逢ひし由、大守も御不審なされ、鹿之介が部屋へ立ち入り、御覧《ごらん》あれば、仏壇《ぶつだん》には燈《ともしび》幽《かす》かに掲《かゝ》げ、新しき位牌《ゐはい》も常香《じやうかう》の煙《けぶり》に燻《ふす》ぼり、前に備《そな》へし灵供《れうぐ》の飯《いひ》、半《なか》バ喰《く》いさし有るを、佐左ヱ門は口開いて指し當たりての歎き、座中の人も袖を絞り、「何が常無き世の中」と、御前にて髻《もとゞり》切り、鹿之介が骨《こつ》を持ち、高野山に上り、印《しるし》の石に碑の銘《めい》切《き》り付《つ》け、片原《かたはら》に庵を結《むす》び、手馴れぬ業《わざ》も「亡き人の為《ため》」と、まんまと娑婆《しやば》の苦《く》を抜けて、気散じな住居《すまゐ》、賢い人は羨《うらや》むべし。
【現代語訳】
佐左衛門は、早朝から身支度をして、城へ行きました。
父佐右衛門が亡くなったことを、涙ながらに申し上げると、お殿様は、
「お前が留守の間に、鹿之助が亡くなった。無常なこの世の中だ」
と涙ぐんでおっしゃいました。
佐左衛門は理解することができず、昨夜も確かに鹿之助に会ったことを申し上げると、お殿様も不思議にお思いになり、鹿之助の部屋の中に入って、様子をご覧になりました。
仏壇には灯明がかすかに灯され、新しい位牌も線香の煙に燻《いぶ》され、霊前に供えられた料理は、半分食べかけであったのを見て、佐左衛門は口を開けたまま、しばらく嘆きました。
その場にいた人たちも袖を涙で濡らし、「どうしてこんなに無常な世の中なのか」と、佐左衛門はお殿様の前でチョンマゲを切り、鹿之助の遺骨を持って高野山に上りました。
佐左衛門は鹿之助の墓石に文字を刻み付け、そばに小屋を建て、「亡くなった鹿之助のため」と、慣れない仏道修行に励みました。
うまく俗世間の苦労を抜け出して、気苦労の無い生活を手に入れた佐左衛門のことを、賢い人はさぞかしうらやましく思う事でしょう。
【解説】
鹿之助が亡くなったという現実を目の当たりにし、無常を感じた佐左衛門は出家して高野山で鹿之助の冥福を弔う生活を送ることになりました。
佐左衛門が食べたのはお供えの料理だったのですね。。。
ここでおしまいかと思いきや、話はまだ続きます。
僕も修行にハゲもうかなヾ(๑╹◡╹)ノ"
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