何故、今回、『男色子鑑』4-1「縁は朽ちせぬ二世の契り」を取り上げることにしたのか。
こちらの、楓屋さんからのコメントがきっかけでした。
徳川宗春の肖像? - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~
三つ目が傾いていますね~。ネタ。私も探しているのですがありませんねえ~。どうしましょう。ところで、桜姫のお話とかは無理ですか。長いですか。
2022/02/26 19:34
ふむふむ、桜姫ねえ。
桜姫といえば、とりあえず、歌舞伎の『桜姫東文章《さくらひめあずまぶんしょう》』[四代目鶴屋南北ほか作、文化十四(一八一七)年初演]が思い浮かんだので、長いので取りあげるつもりはなかったのですが、最初の方をちょっと見て見る事に。
※この記事では国立国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜改変して使用しています。
大南北全集. 第8卷 - 国立国会図書館デジタルコレクション
まずは「発端」。
長谷寺の修行僧・自休《じきゅう》(本名・清玄《きよはる》)と相承院の稚児・白菊丸が、断崖(江の島稚児ヶ淵)から飛び下りて心中するが、自休は気おくれしたためか、松の枝に引っ掛かって生き残る。
左:自休役・七代目市川団⼗郎
右:白菊丸役・岩井松之助
おや、この箇所は江の島の稚児ヶ淵の伝説が元になっていますね。稚児ヶ淵の伝説に関しては、以前、少し触れました。
kihiminhamame.hatenablog.com
ちょっと気になったので、続けて「序幕」も読んでみました。
父が殺され、弟の梅若丸(梅若山王)も隅田川の堤で非業の死を遂げ、生まれ付き左手が開かないハンディキャップがある桜姫。
出家するために長谷寺の清玄阿闍梨《せいげんあじゃり》(実は自休)の元へ。
清玄が念仏を唱えると、桜姫の左手が開き、手から落ちたのは、心中の際に白菊丸が持っていた「清玄《きよはる》」と書かれた香箱のふた。
左:清玄役・七代目市川団⼗郎
右:桜姫役・五代目岩井半四郎
ここでは梅若丸の伝説が利用されていますね。
梅若丸の伝説に関しては、このブログでは詳しくは触れていないのですが、梅若丸をまつった梅若塚は何度か登場しています。
kihiminhamame.hatenablog.com
で、生まれ付き左手が開かない桜姫。
ん、似た話をどこかで見たような?
と、思い出したのが、『男色子鑑』4-1「縁は朽ちせぬ二世の契り」だったわけです。
白菊・梅若という、稚児・男色関係のエピソードに続いているので、おそらく生まれてから左手が開かない桜姫は、『男色子鑑』4-1「縁は朽ちせぬ二世の契り」を元にしたのではないかと?
『男色子鑑』及び改題本『和国小性形気』はそれなりに読まれた本であったようですし、男色話が女色話に転用される例は、それなりに見られますので。
ちなみに、『男色木芽漬』[漆屋円斎作、元禄十六(一七〇三)年三月刊]巻1-4「二世と誓いし再来の縁」も、同様の左手が開かないお話です。
さて、今回でこの記事はおしまい、次は何をやりましょうかね?ヾ(๑╹◡╹)ノ"
次こそ三つ目特集だね!ヾ(๑╹◡╹)ノ"
次は三つ目特集以外でやろうと思いますヾ(๑╹◡╹)ノ"
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