前回と前々回の続きです、まだの方は先にご覧くださいヾ(๑╹◡╹)ノ"
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今回は、月岡芳年の浮世絵、『和漢百物語』(慶応元[1865]年刊)の中の一枚、「楠多門丸正行《くすのきたもんまるまさつら》」を紹介します。
和漢百物語 楠多門丸正行 - 国立国会図書館デジタルコレクション
※この記事では、国立国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜加工して使用しています。
【原文】
橘正成《たちばなのまさしげ》が男《なん》、南朝無二《なんちやうむに》の良将《りやうしやう》たり正行《まさつら》、未だ幼《いちけな》き頃《ころ》、有《あ》る夜《よ》、庭上《ていじやう》に下《お》り立《た》ちつ、木馬《もくば》を試《こゝろ》ミ居《ゐ》給ひしに、嗚呼《あら》、怪しむべし、忽然《こつぜん》と一個《いつこ》の妖怪《ゑうくわい》現れつゝ、正行《まさつら》目掛《めが》けて飛《と》び掛かるを、更《さら》に恐怖《おそ》るる色《いろ》も無く、踊《おど》り掛ゝつて刺《さ》し止《と》めたり。
人々《ひとびと》走《は》せ付《つ》け、轉見《てんけん》為《な》すに、年経《としふ》る狸《たぬき》也けるとぞ。
墨塘了古《すみだりょうこ》記す
【現代語訳】
橘正成《たちばなのまさしげ》[楠木正成《くすのきまさしげ》]の子息で、南朝では並ぶ者がいない優れた武将の正行《まさつら》は、まだ幼い頃、ある夜、庭に下りて木馬で遊んでいました。
あら、気を付けて! そこに突然一匹の妖怪が現れて、正行目掛けて飛び掛かりました。
しかし、正行は全く恐れる様子もなく、飛び掛かって妖怪を刺し殺しました。
家の人たちが駆け付け、調べてみると、妖怪の正体は年を取ったタヌキだったということです。
writtenn by 墨塘了古《すみだりょうこ》[隅田了古《すみだりょうこ》]
【解説】
はい、みなさん、すぐにお気づきになりましたよね、正行が退治している妖怪は、明らかに袋貉《ふくろむじな》ですヾ(๑╹◡╹)ノ"
芳年さん、石燕さんが好きだったみたいで、これ以外でも、石燕さんの妖怪が芳年さんの作品の中に登場していたりします。
この袋貉さん、芳年のアレンジによって、いかにも弱っちい感じの表情で、全く恐ろしくないwwwヾ(๑╹◡╹)ノ"
絵は室内ですが、文章では庭となっており、絵と文章に相違が見られますが、文章は別の人(隅田了古という浮世絵師)が書いてるので、そういうこともあろうかと。
『百鬼夜行絵巻』
→『百器徒然袋』
→『和漢百物語』
と、パロディーを重ねるにつれて絵のクオリティーが上がって行ってるというねヾ(๑╹◡╹)ノ"
そういえば、以前紹介した同じ『和漢百物語』の「小野川喜三郎」も、妖怪の正体は古ダヌキでしたねヾ(๑╹◡╹)ノ"
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ねえ、ねえ、「金-玉」ってなんて読むの?ヾ(๑╹◡╹)ノ"
※wikipediaの画像を表示しています
その手には引っ掛からないよ、「かねだま」って読むんだよ!ヾ(๑╹◡╹)ノ"
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