「定番の昔話が江戸時代にはどう書かれていたか?」シリーズヾ(๑╹◡╹)ノ"
今回は「ぶんぶく茶釜」です。
「ぶんぶく茶釜」のお話は色々なバリエーションがありますが、江戸時代の絵本では、現在普及している「ぶんぶく茶釜」のお話[茶釜に化けたタヌキが見世物をして大活躍的な内容]とはちょっと違うようです。
※茂林寺系の「ぶんぶく茶釜」については、前にちょっと書いてます。
kihiminhamame.hatenablog.com
ここでは、享保頃[一七二五年前後か]に書かれたと思われる「ぶんぶく茶釜」の赤本[絵本の一種、表紙が赤っぽい色なので赤本と呼ばれた]を読んでみましょう。
※この記事では、国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜加工して使用しています。
ぶんぶくちやがま - 国立国会図書館デジタルコレクション
【原文】
▲中昔《なかむかし》の事かとや、東山殿の御茶坊主、ぶんぶく、ぶんざい、ふくさい、ふくわん、とて、御側去《おそばさ》らずの茶道《さどう》有り。
頃ハ秋の末つ方、余り寂しさのまゝ、ぶんぶくハ築山《つきやま》にたゞ一人吸ひ筒《づゝ》を供として、四方《よも》の景色を眺め居けるに、木陰より狐 一疋《いつひき》駆け出で、草藻屑《くさもくず》を被り、既に化けんとし
「化けるハ/\」
「良い慰《なぐさ》ミだ」
ぶんぶく、様子を見る。
畫工近藤助五郎清春筆
【現代語訳】
▲少し昔の事だそうですが、東山殿[室町幕府第八代将軍足利義政]のお側に、ぶんぶく[文福?]、ぶんざい[文斎?]、ふくさい[福斎?]、ふくあん[福庵?]という茶坊主が仕えていました。
秋の末の頃、ぶんぶくは、あまりに暇なので、築山《つきやま》[庭に築いた小山]にたった一人で水筒に入れた酒をお供にして、東西南北の景色を眺めていました。
すると、木陰からキツネが一匹走り出て来て、草の切れ端を頭に乗せ、今にも化けようとしています。
ぶんぶくは、キツネの様子をうかがいます。
「化けるぞ、化けるぞ、楽しませてもらうぞ」
【解説】
時代は室町時代に設定されています。
どうやら「ぶんぶく」は茶坊主[給仕や接待などを担当した役職。剃髪しているが僧ではなく武士階級]の名前のようです。
「ぶんぶく茶釜」はタヌキのお話のはずですが、出てきたのはキツネです。
キツネは化ける時に頭に何かアイテムを乗せると言われていますが、ここでは草のようですね。
はてさて、化けようとしているキツネを、ぶんぶくはどうしようとしているのでしょうか?
わ~い、ぶんぶくと僕は同じ髪型だね!ヾ(๑╹◡╹)ノ"
髪型。。。
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