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[5]江戸時代に読まれた一寸法師 ~一寸法師、三条の宰相に気に入られる~

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御伽草子. 第19冊 (一寸法師) - 国立国会図書館デジタルコレクション
※この記事では、国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜加工して使用しています。

【原文】

 宰相殿《さいしやうどの》、
「不思議の事かな。
 人は見えずして、面白き声にて呼ばハる。
 出てみバや」
 と思し召し、其処《そこ》なる足駄《あしだ》履かんと召されければ、足駄の下より、
「人な踏ませ給ひ」
 と申す。
 不思議に思ひて見れば、一興《いつきやう》なる者にて有りけり。
 宰相殿《さいしやうどの》御覧じて、
「実《げ》に面白き者なり」
 とて、御笑ひなされけり。

【現代語訳】

 宰相殿は、
不思議なことやのう。
 人の姿見えはらんのに、面白い声叫んではる。
 出てみますか」
 とお思いになり、そこにあった足駄お履きになろうとした所、足駄の下から、
「そこのお方、すんまへんけど、踏まへんように気いつけてくれまへんか」
 と言う聞こえました。
 宰相殿不思議お思いになってご覧になると、足駄の下変わった者一寸法師がいました。
 宰相殿一寸法師ご覧になって、
「ほんに、まあ、面白い者がおりはるやないか」
 とおっしゃって、お笑いになりました。

【解説】

 
挿絵を見ると、この足駄の歯、結構大きいですよね。
 15センチくらいはありそうです。
 一寸法師足駄の下しゃがんで入っているので、やっぱり身長30センチはあるように見えますが、はてさて。
 なにはともあれ、踏まれなくて良かったですし、宰相殿にも気に入られたようで良かったです。

 

 足駄じゃなくて、よく足蹴にされるよヾ(๑╹◡╹)ノ"

 

 

 

 

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