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[10]怪談「牡丹灯籠」(『伽婢子』より)~二度と女は荻原の家に来ませんでした、、、が~

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『伽婢子《おとぎぼうこ》』[浅井了意作、寛文六(一六六六)年刊]巻三の三「牡丹灯籠」
国文学研究資料館所蔵 (CC BY-SA) 
新日本古典籍総合データベース

【原文】

 急ぎ行きて、頼ミ参らせよ」
 と言ふ。
 荻原、彼処《かしこ》に詣でゝ、對面《たいめん》を遂げしに、卿公《きやうのきミ》仰せける様《やう》、
「汝ハ、化け物ゝ氣に精血《せいけつ》を耗散《がうさん》し、神魂《しんこん》を昏惑《こんわく》せり。
 今十日を過ぎなバ、命ハ有るまじき也」
 と宣《のたま》ふに、荻原有りの儘《まゝ》に語る。
 卿公《きやうのきミ》、則《すなハ》ち符《ふ》を書きて与へ、門《かど》に押させらる。
 其れより女、二度《ふたたび》来たらず。
 五十日バかりの後に、或る日、荻原、東寺に行《ゆ》きて、卿公《きやうのきミ》に礼拝して、酒に酔《ゑ》ひて帰る。
 流石《さすが》に彼の女の面影恋しくや有りけん、万寿寺の門前近く立ち寄りて、内を見入れ侍りしに、女、忽《たちま》ちに前に現れ、甚《はなは》だ恨ミて言ふ様《やう》、
「此の日頃契りし言の葉の、早くも偽りになり、薄き情《なさ》けの色見えたり。

【現代語訳】

 急いで行って、なんとかならないかお頼み申せ」 
教えました。

 荻原東寺参詣して、卿公《きやうのきミ》との対面を果たしました。
 卿公は、
そなたは、化け物悪い気によって、活力精力消耗してしまい、惑わされてしまった。
 あと十日遅かったら、命はなかったであろう」
 とおっしゃったので、荻原は、ありのまま全て話しました。
 卿公はすぐに、守り札《ふだ》を書いて荻原与え家の門貼らせました。
 それから、二度来ませんでした。
 五十日ほど過ぎたある日荻原東寺に行って卿公お目にかかり、飲んで酔っ払って帰りました。
 なんだかんだ言ってもやはり例の女顔や姿恋しくなったのでしょうか、荻原万寿寺門前の近くに立ち寄って寺の中覗き込んだ所、が突然目の前現れました。
 そして、とても恨んだ様子
「近頃、愛を誓い合ったばかりなのに、早くもそれを無いものにするとは、なんとも薄情ではありませんか。

【解説】

 卿公が書いたお札家の門貼ったら、来なくなり、荻原さん命拾いをして、めでたしめでたしヾ(๑╹◡╹)ノ"

 と思いきや、いやあ、荻原さん酒のせいとはいえ、油断してしまいましたねえヾ(๑╹◡╹)ノ"
 万寿寺の門前は、荻原さんの家ではないので、お札の効力はないんですよねえ。
 荻原さんの前に現れて恨み言を言う弥子《いやこ》さん、はたして荻原さんの運命はいかに
 次回、最終回です!!!

 ねえねえ、なんで僕のおでこお札貼るの?

 いや、効果あるかなと思って。。。

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