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[5]水戸黄門、八幡の藪知らずへ!~江戸時代に書かれた水戸黄門漫遊記~

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『義公黄門仁徳録《ぎこうこうもんじんとくろく》』[江戸中後期成立か。呑産通人(呑産道人)作]巻二十七「下総国八幡宮藪を八幡知らずと申す事」
国文学研究資料館所蔵 (CC BY-SA) 
新日本古典籍総合データベース

【原文】

 然《さ》れバ、予は家臣を召し連れず、従三位《じゅさんミ》中納言の威光を以て、たとへ変化《へんげ》の物たりとも見顕《みあらは》さんに、何程の事やあらん。
 殊にハ爰《ここ》も日本の内なり。
 天下福大将軍の予が、今此の奥を見極むる事に、誰有つて咎《とが》むる事の有るべき様《やう》無し。
 可惜《あつたら》家臣を失なわんより、予、直に入りて、変化の物に逢ひなば問答して、彼《かれ》問答に負けなバ、此の所を焼き尽し、怪しミを裂く[離く?]べし。
 天下の内、何ぞ正法《しやうぼふ》に不思議有るべきや」
 と、宣《のたま》ひて、更に御承引の躰《てい》も見へざりけれバ、御家臣の面/\、何《いづ》れも呆《あき》れ果てゝ、更に御詞《おんことば》を返す者も無し。
 是《これ》によつて義公様、裾《すそ》を高く端折《はセお》り給ひ、御大小《おんだいせう》御柄袋《おんつかぶくろ》を取り給ひて、いと静かに藪の中へ入り給ふによつて、御側御近習の面/\、何《いづ》れも御跡に従ひ行《ゆ》かんとするを、厳しく叱り給ひけれバ、何れも詮方《せんかた》無く、差し控へたり。
 夫《そ》れより義公様ハ、段/\奥深く入り給ふを、人/\御後ろ影を守り詰め居たりけるに、一町余も御入りなされ候後ろ影、見へけれども、其れよりハ絶へて、御姿も見へ奉らず。

【現代語訳】

 なので、ワシ家臣召し連れず従三位中納言《じゅさんみちゅうなごん》威光で、たとえ化け物であっても、簡単に正体暴いてみせよう。
 なにしろここ日本の中である。
 天下の副大将軍ワシが、今この藪の奥見定めることを、とがめることなどできぬ
 惜しくも家臣失うより、ワシが直々に入り化け物に会ったならば説得して、もし、化け物説得応じなかったら、ここを焼き尽くし怪しい物取り払おう
 天下において、正法《しょうぼう》[仏教の正しい教え]に、不思議があるはずがない」
 と、おっしゃって、全くご家臣説得応じようとしなかったので、ご家臣たち誰もあきれはてて、全くお言葉を返す者いませんでした。
 こういうわけで、義公様[黄門様]着物の裾《すそ》を高く端折《はしょ》り大小の刀柄袋お取りになって、たいそう静か藪の中お入りになりました。
 お側にお仕えするご家臣たちは、誰も義公様の後についていこうとしましたが、義公様は厳しくお叱りになったので、誰もどうしようもなく、その場控《ひか》えるのでした。
 それから義公様は、だんだん藪の奥深くお入りになり、ご家臣たち義公様お後ろ姿見守っていました。
 一町余り[約110メートル]ほどお入りになられるまでは、義公様お後ろ姿見えたのですが、それからは全くお姿見えなくなってしまいました。

【解説】

 黄門様家臣たち制止振り切って一人藪の中入って行きました。
 このころから、「天下の副将軍」名乗っていたのですね。
 ちなみに、「副将軍」という役職は、実際には江戸幕府には存在しません。
 原文では「天下大将軍」となっていますが、「副」ではなく「福」となっているのは単なる誤字です。
 作中では従三位中納言名乗っていますが、徳川光圀[黄門様]実際官位正確には従三位中納言《じゅさんみごんちゅうなごん》」です。
中納言及び「権中納言唐名[中国での名称]「黄門侍郎《こうもんじろう》」です。
 水戸徳川光圀水戸藩主]黄門[「黄門侍郎」の略]だから水戸黄門というわけです。
 100メートルほど入った所で、黄門様の姿消えてしまったようですが、はてさて

 「黄門侍郎《こうもんじろう》」じゃなくて、「肛門痔瘻《こうもんじろう》」だよヾ(๑╹◡╹)ノ"
www.mitokomon.net

  、、、本年最後の記事終わり方こんなん申し訳ありませんが、来年よろしくお願いしますですヾ(๑╹◡╹)ノ"

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