それでは、今回は「皿屋敷」を。
ちょっと待った!
何?
前回、北斎の「四谷怪談」と芳年の「牡丹灯籠」の絵を紹介してたけど、北斎の「牡丹灯籠」と芳年の「四谷怪談」の絵はないの?
北斎の「牡丹灯籠」の絵は、探したけど、それらしいのはこれしかなかったよ。
(右のリンク先参照)絹本着色骸骨図 台東区ホームページ
ほかに北斎の「牡丹灯籠」の絵をご存じの方はお教えくださいませ。
芳年の「四谷怪談」はあるんだけど、あえて紹介しなかったんだ。
何で?
ほら。
月岡芳年「四ツ谷怪談」『新形三十六怪撰』[明治25(1892)年]
新形三十六怪撰 四ツ谷怪談 (新形三十六怪撰) - 国立国会図書館デジタルコレクション
あ、聞いて聞いて、右上に書いてある文字、読めるよ!
「四ッ谷怪談」って書いてある!
いや、ほぼ漢字だから誰でも読めるでしょ。。。
でも、この絵のどこが「四谷怪談」なの?
そう、「四谷怪談」っぽくなかったから紹介しなかったんだ。
ここに描かれてるのは幽霊になったお岩さんではなくて、生前のお岩さんなんだ。
上から下がってる蛇みたいな帯は何?
これはおそらく「蛇帯《じゃたい》」じゃないかな。
「蛇帯」は鳥山石燕の『今昔百鬼拾遺』に描かれてる妖怪なんだ。
鳥山石燕『今昔百鬼拾遺』[文化2(1805)年]
百鬼夜行拾遺 3巻 [2] - 国立国会図書館デジタルコレクション
【原文】
蛇帯《じやたい》
『博物志《はくぶつし》』に云《い》ハく、「人《ひと》、帯《おび》を藉《し》きて眠《ねぶ》れバ、蛇《じや》を夢《ゆめ》む」云〻《うんぬん》。
然《さ》れば、妬《ねた》める女の三重《みえ》の帯ハ、七重《なゝえ》に回る毒蛇《どくじや》とも成りぬべし。
「思へども 隔《へだ》つる人や 搔《か》き成らん[憂《う》きならん?] 身ハ口縄《くちなハ》の 言ふ甲斐も無し」
【現代語訳】
蛇帯《じゃたい》
『博物志《はくぶつし》』[中国晋代の伝奇集]に、「人が帯を敷いて寝ると、蛇の夢を見る」などと書かれています。
そのように、妬《ねた》んだ女が腰に三重に巻いている帯は、七重にも人に巻き付く毒蛇にもなってしまうのです。
「思いを寄せても、あの人は私を遠ざけるので、妬む私の身は口縄《くちなわ》[「蛇」の異名]となって帯に宿ってしまいました、、、もう口に出して言ってもしかたがないですね」
つまり、この絵は、お岩さんの夫・伊右衛門に思いを寄せるお梅の邪心《じゃしん》が蛇身《じゃしん》となって、お岩さんの前に現れた様子を描いたものと思われるんだ。
この後に起こるお岩さんの不幸を暗示しているんだね。
あえて、幽霊となったお岩さんを描かなかったのは、芳年らしいといえば芳年らしいね。
僕も、人間だったころの姿を描いてほしいなヾ(๑╹◡╹)ノ"
お前、元々は人間だったのか!!!
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あ、次回こそは「皿屋敷」です!
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