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[4]累ヶ淵~『新著聞集』より~

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国書データベース

国文学研究資料館所蔵 (CC BY-SA) 

【原文】

 翌日《よくじつ》、又来り、「如何《いか》に」と問ひ給へバ、
「地獄《じごく》、極楽《ごくらく》を目《ま》の当たりに見侍りぬ。
 極楽《ごくらく》の門前に僧、御座《おハ》して、『此の所の事、語《かた》るな』と固《かた》く制《せい》し給ひぬ。
 其の僧、数珠《じゆず》を与へて、我《わ》が名を妙槃《ミヤうはん》と付け給ひし。
 又、累《かさね》、其の門外にて、
『汝《なんぢ》は定業《じやうごう》来たらねバ、皈《かへ》るべし』
 とて、衣の半《なかば》[はん?]を我に掩《をゝ》ひて、
『此処《こゝ》は地獄《ぢごく》なるぞ』
 と云ひて去りにき。
 我、衣《ころも》の隙《ひま》より覗《うかゞ》ひしに、白き途《みち》有りて、累《かさね》、其の方へ至ると思へバ、梦《ゆめ》の覚めたる心地《こゝち》しけり」
 と語れり。

【現代語訳】

 翌日祐天はまた来てに「どんな感じだったか?」とお聞きになりました。は、
地獄極楽目の前ました。
 極楽の門の前がいらっしゃって、
ここのことは話してはならない』
 と厳しく言い付けられました。
 その僧数珠与えて、妙槃《みょうはん》という名前お付けになりました。
 また、累《かさね》極楽の門の外に居て、に、
お前はまだ、こちらの世界に来る運命ではない、帰りなさい』
 と言って上着覆い
こちら側地獄であるぞ』
 と言って去っていきました。
 上着隙間からこっそり見ると、白い道があって、がその白い道の方へ行ったのが見えた途端夢から覚めた心地になったのです」
 と語りました。

※『古今犬著聞集』から『新著聞集』に至る過程で、編者はわかりやすく書き直したつもりだったのでしょうが、読み間違いなどから、かえってわかりにくくなってしまっているので、『古今犬著聞集』も参照しながら訳しています。

【解説】

 おそらく、守り本尊拝んでいるあの世見ていたようです。

 僧の言い付け守ってか、地獄と極楽の様子は詳しくは語られていません。

「又、累《かさね》、其の門外にて」~「と云ひて去りにき」辺り累のセリフや行為にも取れますが、『古今犬著聞集』では、この場面登場せず、全て僧のセリフや行為となっているので、ここでも僧のセリフや行為として訳しました。

 累が向かった白い道は、地獄への道なのでしょうか。
 なお、『古今犬著聞集』では、白い道に至ったところで夢が覚めます。

 

 ずっと三つ目見つめられてる夢を見たよヾ(๑╹◡╹)ノ"

 ううん、はずっと枕元北見花芽見つめてたから、それ、じゃなくて事実ヾ(๑╹◡╹)ノ"

 

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