国書データベース
※国文学研究資料館所蔵 (CC BY-SA)
【原文】
翌日《よくじつ》、又来り、「如何《いか》に」と問ひ給へバ、
「地獄《じごく》、極楽《ごくらく》を目《ま》の当たりに見侍りぬ。
極楽《ごくらく》の門前に僧、御座《おハ》して、『此の所の事、語《かた》るな』と固《かた》く制《せい》し給ひぬ。
其の僧、数珠《じゆず》を与へて、我《わ》が名を妙槃《ミヤうはん》と付け給ひし。
又、累《かさね》、其の門外にて、
『汝《なんぢ》は定業《じやうごう》来たらねバ、皈《かへ》るべし』
とて、衣の半《なかば》[はん?]を我に掩《をゝ》ひて、
『此処《こゝ》は地獄《ぢごく》なるぞ』
と云ひて去りにき。
我、衣《ころも》の隙《ひま》より覗《うかゞ》ひしに、白き途《みち》有りて、累《かさね》、其の方へ至ると思へバ、梦《ゆめ》の覚めたる心地《こゝち》しけり」
と語れり。
【現代語訳】
翌日、祐天はまた来て、菊に「どんな感じだったか?」とお聞きになりました。菊は、
「地獄と極楽を目の前で見ました。
極楽の門の前に僧がいらっしゃって、
『ここのことは話してはならない』
と厳しく言い付けられました。
その僧は私に数珠を与えて、私に妙槃《みょうはん》という名前をお付けになりました。
また、累《かさね》は極楽の門の外に居て、僧は私に、
『お前はまだ、こちらの世界に来る運命ではない、帰りなさい』
と言って、私を上着で覆い、
『こちら側は地獄であるぞ』
と言って、去っていきました。
私は上着の隙間からこっそり見ると、白い道があって、累がその白い道の方へ行ったのが見えた途端、夢から覚めた心地になったのです」
と語りました。
※『古今犬著聞集』から『新著聞集』に至る過程で、編者はわかりやすく書き直したつもりだったのでしょうが、読み間違いなどから、かえってわかりにくくなってしまっているので、『古今犬著聞集』も参照しながら訳しています。
【解説】
おそらく、守り本尊を拝んでいる間、菊はあの世を見ていたようです。
僧の言い付けを守ってか、地獄と極楽の様子は詳しくは語られていません。
「又、累《かさね》、其の門外にて」~「と云ひて去りにき」の辺り、累のセリフや行為にも取れますが、『古今犬著聞集』では、この場面に累は登場せず、全て僧のセリフや行為となっているので、ここでも僧のセリフや行為として訳しました。
累が向かった白い道は、地獄への道なのでしょうか。
なお、『古今犬著聞集』では、菊が白い道に至ったところで夢が覚めます。
ずっと三つ目に見つめられてる夢を見たよヾ(๑╹◡╹)ノ"
ううん、僕はずっと枕元で北見花芽を見つめてたから、それ、夢じゃなくて事実ヾ(๑╹◡╹)ノ"
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