【前回のあらすじ】
新参の荒くれ者の後藤式部は、頼母が蹴鞠《けまり》をする姿に見惚《みほ》れて、猛アタックを開始しますが、頼母には采女がいるわけで。。。
【初めての方へ】
原典の画像だけでなく、スクロールすると、ちゃんと活字の原文(可能な限り漢字に直し、送り仮名と振り仮名を補足しています)と現代語訳と解説がありますよヾ(๑╹◡╹)ノ"
【スマホでご覧の方へ】
諸事情により、PC版と同じデザインになっています。なるべくスマホでも読みやすいようにはしているのですが、もし、字が小さいと感じた場合は、スマホを横にして拡大すると読みやすいと思います。
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霞亭文庫 · 男色義理物語 · 東京大学学術資産等アーカイブズ共用サーバ
男色義理物語 : 4巻 - 国立国会図書館デジタルコレクション
※赤字の書入れ等は筆者。
【原文】【現代語訳】
我 既《すで》に武勇《ぶゆう》の家に生まれ、後ろめたくも物を変ずる事や有るべき」
私は紛れもなく武士の家に生まれたので、恥ずかしくも心変わりするようなことがあってはなりませぬ」
と、心に深く忌ミ思ひて、つや/\応《いら》ひをだにせず、年頃過ごし侍りしとなん。
と、頼母は心に深く忌み嫌って、式部に全く返事もせず、そのまましばらく過ごしました。
然《さ》れバ、見るを〈似るを〉友とする世の習ひ、後《のち》如何《いかゞ》言ひ頼ミけん、是も侍従の御側近く座立静動《ざりうじやうどう》[『雨夜物語』では「茶流《さりう》の調度《てうど》]預け置かせ給ふ渋川露斎[『藻屑物語』『雨夜物語』では節木松斎]と言へる抜鞘持《ぬけざやも》ちの法師を仲立ちとして、
しかしながら、類は友を呼ぶというのが世間ではよくあることで、それからどう言って頼んだのか、式部は、これも侍従の御側近くで、茶道具の管理を任せられている、渋川露斎という、こういうことに首を突っ込むのが好きな法師を、仲立ちとしました。
「如何《いか》に御心の無下《むげ》固ふ渡らせ給ふ。
露斎は頼母に、
「あなた様のご対応は、あまりにも冷たく存じます。
せめて否《いな》や〈否諾《いなせ》〉の御返事ハ」
せめて、許諾か拒否かのお返事だけでも」
と、一度は打ち侘《わ》び、一度は又 猛《たけ》き言葉を交へつゝ、色/\様/゛\に掻《か》き口説《くど》き聞こへけれバ、
と、泣き落としをしたり、荒々しい言葉を交えたりしながら、色々、様々に、手を変え品を変え、説得しました。
頼母 俄《にハ》かに色を変じて、
すると頼母はたちまち表情を変えて、
「夫《そ》れ、武士《ぶし》たらん者ハ、武具を肩に掛け、弓を引き、尤《もつと》も武勇を先《さき》とす。
「そもそも、武士というものは、武具を身につけ、弓を引いて、強く勇ましいことを第一とします。
法師ハまた、頭《かしら》を下ろして袈裟衣《けさころも》を肩に掛け、經を読ミ、名号《めうがう》を唱へ、人を弔《とぶら》ふを専《もつぱ》らとす。
法師もまた、髪を剃って、袈裟《けさ》と衣《ころも》を身につけ、経を読み、名号《みょうごう》[仏や菩薩の名]を唱え、人を弔《とぶら》うことを第一とするものです。
既に、己《おのれ》が一つの身を助くる座立静動《ざりうじやうどう》を引くべき力業《ちからわざ》[『雨夜物語』では「茶流《さりう》の上の茶臼を回す力業《ちからわざ》」ハ打ち捨てゝ、似合はぬ好色の腕立《うでだて》かな。
あなたの仕事である、茶臼を回すために使わなければいけない労力を、好色の手助けのために使うとは、いかにもふさわしくないことですよ。
総じて、鵜《う》の真似《まね》する烏《からす》ハ、水に溺《おぼ》れて身を失ふ物なり。
だいたい、鵜《う》の真似をするカラスは、水でおぼれて死んでしまうものです。
此の後《のち》、斯様《かやう》の現無《うつゝな》き事を聊《いさゝ》かにも言ひ出し侍るな」
今後、このようなバカげたことは、決して言い出さないように」
と、太刀の柄《つか》に目を掛け、荒ゝかに座敷を立ち侍る。
と、太刀の柄《つか》をじっと見ながら、荒々しく座敷を立ちました。
今の露斎《ろさい》が露の命、風待つよりも猶《なを》危《あや》うかりける事どもなり。
今や露斎のはかない命は、風前の灯火《ともしび》のようなものです。
斯《か》く法師も甚《いた》ふ白《しら》まされて、面目無き面付《つらつ》きにて、
こうして露斎もいたく興ざめして、面目丸つぶれと言った顔つきで、
「然《さ》宣《のたま》ふとも、よも只《たゞ》にては思い止まらじ物を」
「そのようにおっしゃっても、まさかこのまま諦めるわけはないものを」
と、言ひ捨て帰りけり。
と、言い捨てて帰りました。
『男色義理物語』巻之二終
『男色義理物語』巻の二終わり
【解説】
はい、ここにきてまた新たな人物の登場です。
どういう伝手《つて》があったのか、頼母に相手にされない式部は、茶坊主の渋川露斎に仲立ちを依頼します。
もちろん頼母は怒って露斎を一喝《いっかつ》するわけですが、まあ、このまま終わるとは思えず、なんだか波乱の予感が。。。
ここで巻二が終わりです。
やっと、半分まで来ました(笑)
さて、巻一では一気読みをやりましたが、巻二でもやった方がいいですか?
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