【前回のあらすじ】 母と会うために休暇を取って品川辺りに滞在していた采女は、内蔵之助からの手紙で、頼母が切腹をすることを知るのでした。
【初めての方へ】 原典の画像だけでなく、スクロールすると、ちゃんと活字の原文(可能な限り漢字に直し、送り仮名と振り仮名を補足しています)と現代語訳と解説がありますよヾ(๑╹◡╹)ノ"
【スマホでご覧の方へ】 諸事情により、PC版と同じデザインになっています。なるべくスマホでも読みやすいようにはしているのですが、もし、字が小さいと感じた場合は、スマホを横にして拡大すると読みやすいと思います。
別館も更新しています、見てね!ヾ(๑╹◡╹)ノ"


霞亭文庫 · 男色義理物語 · 東京大学学術資産等アーカイブズ共用サーバ
男色義理物語 : 4巻 - 国立国会図書館デジタルコレクション
※赤字の書入れ等は筆者。
【原文】【現代語訳】
『男色義理物語』巻之四
「命に寄する恋」
『男色義理物語』巻四
「命に思いを寄せる恋」
其の後、何と無《な》ふ母に対面して、
その後、釆女は何事も無かったかのように母に対面し、
「明日、疾《と》く、大殿御病気につき、有馬《ありま》へ湯治《とうぢ》なされ候につき[オリジナルの『藻屑』『雨夜』では「大殿日光山の東照大権現へ、公よりの御使に立たせ給ふ」]、然《さ》有りけれバ、我等《われら》も此の度召し加へられんとの御事触れ侍る。
「明日早く、大殿がご病気につき、有馬へ湯治に行かれることになったので、私たちもお供に召し加えられたとのお達しがありました。
然《さ》有れバ、又久しく打ち向かう事も有るまじけれバ、門出に御盃《おんさかづき》を給はらん」
ですので、またしばらくは母上にお会いすることができなくなりましたので、門出の盃をいただきたく存じます」
とて、母の盃を頂き、三度吸い干して、其の後《ゝち》母盃を控へて、
と言って、母の盃をいただき、三回で飲み干しました。
それから母は盃を下げて、
「相構《あいかま》へて、途次《みちすがら》馬に良く物し給へ。
「しっかり心を配って、道中、馬を大切になさってください。
居眠《いねぶ》りて身を損なひ給ふなよ。
馬上で居眠りをして、ケガなどなさらないように。
又旅にては常《つね》よりも軽《かろ》らかに持ちて、宮仕ひの沙汰《さた》もし給へ。
また、旅においてはいつもよりリラックスして、宮仕えに励みなされ。
【解説】
あれ? 釆女さん、母親に大殿の有馬への湯治のお供に召し加えられたなんて嘘を言ってますが?
え? ひょっとしたら釆女さん、門出の盃だなんて言って、実は別れの盃では???
誰か早く止めて~~~!
次回に続く!
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