一行は、江戸見物を終えて、次の地に旅立つのでした。


※この記事では国立国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜改変して使用しています。
金草鞋 1編 - 国立国会図書館デジタルコレクション
諸国道中金の草鞋 1 - 国立国会図書館デジタルコレクション
※損傷個所は可能な限り修正しています。
※赤字の書き入れは筆者。
【原文】
彼《か》の行脚《あんぎや》の二人ハ、江戸中の名所、悉《こと/゛\》く見んと思へば、余り長逗留《ながとうりう》になる故《ゆへ》、あらましに見物し、是より伊勢参宮して、京大坂を一見《いつけん》せんと、先《ま》づ馬喰町《ばくろてう》を出立《しゆつたつ》する。
「上方にも知つた国の者が居るから、土産に此処《こゝ》の見せ(店)で錦絵や絵草紙を買つて行くべい。
是が何よりか良い土産だ」
「鹿島立ちに天気は良し、風は無し、目出度《めでたい》/\」
此の次ハ、伊勢参宮より、京大坂見物の趣《おもむき》、直《す》ぐ様出来、売出し申し候。
御求め、御高覧、希《ねが》ひ上げ奉り侯。
板元《はんもと》
【現代語訳】
例の旅行者の二人(千久羅坊と延高)は、あらゆる江戸中の名所を見ようと思うと、長期滞在が必要なので、特に有名な所だけで見物は済ませました。
二人は、これから伊勢神宮に参詣して、京・大坂を一目見ようと、まずは馬喰町の宿から旅立ったのでした。
・千久羅坊
「上方にも故郷の知り合いがいるから、土産にここの店(錦森堂[この書の版元の森屋治兵衛の店])で、錦絵や絵草紙を買つていくべ。
これが何よりも良い土産だべ」
・延高
「旅立ちにあたって、天気は良くて風も無し、めでたい、めでたい」
この次は、伊勢参宮から、京・大坂見物の話です。
出来次第すぐに売り出します。
どうぞお求めの上、ご覧くださいますよう、お願い申し上げます。
by 板元(森屋治兵衛)
【解説】
最後は板元の本屋の宣伝で、めでたく『金草鞋 初編 江戸見物』は終了です。
『金草鞋』は全二十六編で、現代語訳も出てるみたいなので、続きは各自でどうぞ(笑)
次回は、『金草鞋』の冒頭部分、以前に書いたのがちょっと気に入らないので、再読いたしますです。
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