(大指のような足とカニのような目を持った石)
新日本古典籍総合データベース
※この記事では、国文学研究資料館所蔵品の画像データを適時加工して利用しています。 (CC BY-SA 4.0)
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【原文】
明くる五日の夜ハ、権八も来たり、咄《はな》しつ「中/\刃物術《はものわざ》には及ばざりし化け物、誠に怪敷次㐧《あやしきしだい》」など申しける處に、やがて米三斗ばかりなる石壱つ走り来たりける。
是を見るに、大指の如き足有りて這《は》ひ、蟹《かに》の如く成る眼《め》有りて睨《にら》み、権八が方に向かひて走り来たる。
権八ハ慌《あは》たゞ敷《しく》刀取りて切らんとせしが、平太郎が押し留めし故、すべき様《やう》無くて帰りける。
扨《さて》、夜明けて後、臺所に有りしを見れバ、近所に有りける車留めの石成りしが、「嘸《さぞ》な、化け物ゝ取り来てかくは仕立てたる成るべし」と申しける。
【現代語訳】
翌、七月五日の夜は、権八も来て、「なかなか刀で立ち向かったとしても敵《かな》わないような化け物で、本当に不気味だ」などと話していると、そのうち米三斗[約54リットル]ぐらいの石が走ってきました。
これを見ると、大きな指のような足があって這《は》い、カニのような目があって睨《にら》み、権八の方に向かって走ってきました。
権八は慌てて刀を取って斬ろうとしましたが、平太郎が押し留めたので、何もできないまま帰りました。
さて、夜が明けて台所にあった物を見ると、怪異の正体は近所にある車止めの石でした。
「きっと、化け物が車止めの石を取ってきて、妖力で不気味な物に仕立て上げたんだろうな」と平太郎は言いました。
【解説】
五日目は、化け物が近所の車止めの石を、指のような足でカニのような目を持つ、不気味な物に仕立て上げました。
うん、これはキモいし怖いですヾ(๑╹◡╹)ノ"
刀では相手にならないと話している矢先に、刀で斬ろうとする権八(笑)
止めた平八郎は冷静ですね。
だって、相手は石だから、刀で斬ったら折れてしまったことでしょう。
僕はタコのような頭だよヾ(๑╹◡╹)ノ"
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