※この記事では国立国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜改変して使用しています。
金草鞋. 1編 - 国立国会図書館デジタルコレクション
【翻刻】
中之巻 愛宕山《あたごさん》
神明より増上寺へ参詣し、それより愛宕へ参りける。
山上より品川沖を一目に見渡し、風景言葉に尽し難し。
千久羅坊、此の男坂を登るとて
狂 天狗旗《てんぐばた》 程に愛宕《あたご》の 坂さあへ よんこやくとう 上がるだんべい
狂 金/玉のう 吊るくしながら 坂さあで ぶらりへこしハ だらかしにけり
案内
「馬喰町のアタゴ屋[旅籠屋《はたごや》]から、アタゴた[「あちゃこちゃ」または「あちこち」]出掛けて愛宕へ来たら、腹が減つた、アタゴ[穴子《あなご》]の蒲焼きで茶漬りたい物だ」
「女がこの坂を上がつたら、さぞ濡れて良かろう」
【現代語訳】
中之巻 愛宕山《あたごさん》
芝の神明宮から増上寺に参詣し、それから愛宕山に参詣しました。
愛宕山の上から品川沖まで一望でき、その風景の素晴らしさは言葉に言い表せないほどです。
千久羅坊は愛宕山の上に通じる男坂と言う石段を上る際に狂歌を詠みました。
千久羅坊の狂歌
「凧みたいに[凧を揚げたくらいの高さがある]愛宕山の男坂を、わざわざやっとこさ上《あ》がる[「凧が揚《あ》がる」と掛けた]んだべ」
千久羅坊の狂歌
「ワシについてるキャンタマが、坂を上ったらぶらぶらゆれて、そのせいでフンドシがゆるんでしもうた」
案内人
「馬喰町の旅籠屋から、あちこち観光して愛宕山まで来たら、腹が減ったので、穴子の蒲焼きで茶漬け飯でも食いたいもんだ」
参詣者?
「女がこの坂を上ったら、なにしろ男坂と言う名前だから[ぶらぶら揺れる男のキャンタマでも見て]、感じてさぞかし濡れて良い気持ちになるんだろうな」
【解説】
案内人、日本橋での鯛尽くしに続いて、今度は愛宕尽くしですヾ(๑╹◡╹)ノ"
えっと、ほかの部分に関しては、はい、あえてもう、解説はしません(笑)ヾ(๑╹◡╹)ノ"
その代わり、今回は、芝の神明宮の回で寄せられた質問に答えるますヾ(๑╹◡╹)ノ"kihiminhamame.hatenablog.com
id:Kitajskaya さん からのご質問
気が悪くなるというのは、ムラムラするという意味なのは面白いですね。逆に気が良くなるというとどういう意味になるのでしょうか?
もちろん、「気が良い」は「気分が良い」という意味で、普通は「気が悪い」も「気分が悪い」という意味です。
ただ、状況によって意味が多少なりとも変わってくるのが現代語訳の難しい所。
当該箇所は「気が悪くなる」→「気が変になる」→「女性を見て気が変になる」→「ムラムラする」というわけですヾ(๑╹◡╹)ノ"
三つ目コーナー
僕も北見花芽を見て気が悪くなったよヾ(๑╹◡╹)ノ"
ワシだって三つ目を見るといつも気が悪いよヾ(๑╹◡╹)ノ"
???
???
◆インフォメーション
「を知る通信」さんに、「あなたの家の中にいるかもしれない衝撃の妖怪五選」という記事を寄稿しましたので、ぜひご覧ください!ヾ(๑╹◡╹)ノ"
はてなブックマークでのコメントもぜひ!ヾ(๑╹◡╹)ノ"
news.woshiru.com
◆北見花芽のほしい物リストです♪ ご支援よろしくお願いします♪
◆インフォメーション
井原西鶴の大著、『男色大鑑』の一般向けの現代語訳「歌舞伎若衆編」が発売中です♪
北見花芽の中の人もちょっと書いてるので、興味のある方も無い方も、下のアマゾンリンクから買ってくださると狂喜乱舞します♪
※ 書店で買っても、北見花芽の中の人には直接お金が入らないので何卒。
- 作者: 染谷智幸,畑中千晶,河合眞澄,佐藤智子,杉本紀子,濵口順一,浜田泰彦,早川由美,松村美奈,あんどうれい,大竹直子,九州男児,こふで,紗久楽さわ
- 出版社/メーカー: 文学通信
- 発売日: 2019/10/21
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログを見る
「武士編」も好評発売中です♪
全訳 男色大鑑〈武士編〉
『男色を描く』も合わせてお読みいただけるとより楽しめると思いますよ♪
※ こちらも北見花芽の中の人がちょっと書いていますので。
男色を描く: 西鶴のBLコミカライズとアジアの〈性〉
◆北見花芽 こと きひみハマめ のホームページ♪
◆拍手で応援していただけたら嬉しいです♪
(はてなIDをお持ちでない方でも押せますし、コメントもできます)
◆ランキング参加してます♪ ポチしてね♪
◆よろしければ はてなブックマーク もお願いします♪ バズりたいです!w