一行は芝の神明宮に向かいますヾ(๑╹◡╹)ノ"
※この記事では国立国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜改変して使用しています。
金草鞋. 1編 - 国立国会図書館デジタルコレクション
【原文】
芝神明宮《しばしんめいぐう》
日本橋通り真つ直ぐに、京橋を渡り、尾張丁の布袋屋・亀屋を見て肝を潰し、新橋を過ぎて芝の神明へ到りけるに、折節、湯立ての大釜、神前にありければ、
狂 あの釜《かま》で 飯サ 炊きやるか
出来秋《できあき》の 神明[「神明」と「新米」を掛けたか]ならバ 旨くあんべい
「『これから増上寺様へハどふ行きます』と聞いたら『突き当りて右《ミぎり》の方へ行け]とあそこで人《ふと》が言ひ申したから、向かふから来る人《ふと》へそつとぶつかつて聞ゝますべい。
我意《がい》に酷く突き当たつたら、布袋腹《ほてばら》のう突つ立つだんべい」
「成程《あるほど》、お江戸は良《ゑ》い女の在る所《とこ》だァ。
己《うら》気が悪く成り申した」
【現代語訳】
芝神明宮《しばしんめいぐう》
日本橋通りを真っ直ぐ進み、京橋を渡って、尾張町の呉服屋の布袋屋や亀屋の繁盛ぶりを見てビックリし、新橋を過ぎて芝の神明宮に着きました。
ちょうど湯立ての大釜が神前にあったので、二人は狂歌を一首詠みました。
狂歌
「あの釜で飯を炊くのですか。稲が良く実った秋の頃を出来秋《できあき》と言うが、秋祭りが有名な芝の神明宮だから、さぞかし新米が旨く炊けるんでしょうなあ、じゅる」
延高or千久羅
「『ここから増上寺様へはどうやったら行けますか?』と聞いた人に、『突き当って右の方に行きなされ』とあそこで人が言っています。
なので、我々も向こうから来た人に、そっとぶつかって聞くことにしましょう。
やたらとひどくぶつかったら、腹を立てるでしょうから、そっとですぞ」
延高or千久羅
「なるほど、お江戸はエエ女がいる所ですなあ。
おら、なんだかムラムラしてきました。」
【解説】
日本橋から増上寺までのルートを江戸切絵図でどうぞヾ(๑╹◡╹)ノ"
〔江戸切絵図〕 - 国立国会図書館デジタルコレクション
この箇所、延高なのか千久羅なのか、どっちのセリフかはっきりしませんが、どっちかのセリフであることは確かでしょう。
神事を行うための大釜を、たくさんの飯を炊くと勘違いするほど、あいかわらず食い意地が張っています。
道を突き当たるを、人に突き当たると勘違いするのは、もはや田舎者云々というより、おバカの域に達しています。
女性を見てムラムラするし、この二人、どうしようもなくて、読んでいてどう解説すりゃいいか困り果てていますヾ(๑╹◡╹)ノ"
三つ目コーナー
もう季節も秋だねヾ(๑╹◡╹)ノ"
お前の顔を見るのも飽きたよヾ(๑╹◡╹)ノ"
◆インフォメーション
「を知る通信」さんに、「あなたの家の中にいるかもしれない衝撃の妖怪五選」という記事を寄稿しましたので、ぜひご覧ください!ヾ(๑╹◡╹)ノ"
はてなブックマークでのコメントもぜひ!ヾ(๑╹◡╹)ノ"
news.woshiru.com
◆北見花芽のほしい物リストです♪ ご支援よろしくお願いします♪
◆インフォメーション
井原西鶴の大著、『男色大鑑』の一般向けの現代語訳「歌舞伎若衆編」が発売中です♪
北見花芽の中の人もちょっと書いてるので、興味のある方も無い方も、下のアマゾンリンクから買ってくださると狂喜乱舞します♪
※ 書店で買っても、北見花芽の中の人には直接お金が入らないので何卒。
- 作者: 染谷智幸,畑中千晶,河合眞澄,佐藤智子,杉本紀子,濵口順一,浜田泰彦,早川由美,松村美奈,あんどうれい,大竹直子,九州男児,こふで,紗久楽さわ
- 出版社/メーカー: 文学通信
- 発売日: 2019/10/21
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログを見る
「武士編」も好評発売中です♪
全訳 男色大鑑〈武士編〉
『男色を描く』も合わせてお読みいただけるとより楽しめると思いますよ♪
※ こちらも北見花芽の中の人がちょっと書いていますので。
男色を描く: 西鶴のBLコミカライズとアジアの〈性〉
◆北見花芽 こと きひみハマめ のホームページ♪
◆拍手で応援していただけたら嬉しいです♪
(はてなIDをお持ちでない方でも押せますし、コメントもできます)
◆ランキング参加してます♪ ポチしてね♪
◆よろしければ はてなブックマーク もお願いします♪ バズりたいです!w