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比翼姫と連理君  ~『男色比翼鳥』巻1の1 その7~

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「うきよのおはなし(はてな)」一周年記念企画『男色比翼鳥』巻1の1読み直し続きだよ!

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※この記事では、国立国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜改変して使用しております。
男色比翼鳥 6巻. [1] - 国立国会図書館デジタルコレクション
※画像はクリックすると拡大します。

【前回のくずし字クイズの答え】

万福長者(まんぶくちやうじや)の二ばん息子(むすこ)れんりといへる少年(せうねん)

【原文】

妲己(だつき)も爪(つめ)咥(くわ)ゆべき粧(よそを)ひ。
其の上(そのうへ)三十三天に隠(かく)れ無き達者(だてもの)。
風俗(ふうぞく)むく/\として、やハ/\ぼちや/\尻(しり)付きに、恋を見せ掛け、
目元に人を泥(なづ)ませぬれば、諸(もろ)々の若男、思ひを掛け、兎や角の(とや
かふの)と言ひ寄れど、何時か無く返事さへせぬこそ道理。

并(なら)びの国、万福長者(まんぶくちやうじや)の二番息子(むすこ)、連理(れんり)と言へる少年(せうねん)、器量(きりやう)千人にも優れ。面躰(めんてい)瓜実皃(うりざねがほ)に笑窪(ゑくぼ)有り。
目元ピンとして鋭(すゝ)どからず。
鼻(はな)筋押し通り、色白く、物腰爽やかに、又と無き情け知りの若衆と、何時頃(いつごろ)よりか比翼姫は、ちん/\鴨(かも)の味、死(し)なば諸共(もろとも)水漏らさじと契(ちぎ)りけるハ、油断のならぬ世界(せかい)と、両方(りやうほう)の親達も互いに分けハ知りぬれど、知らぬ皃して打ち過ぎぬ。
然れば、比翼の御腹(おはら)に物云ひ出来(でき)たるあらまし。
或る夕暮れの

【さっくり現代語訳】

楊貴妃(ようきひ)も「あっち行け!」と追い払われ、]妲己(だっき)[殷(いん)の紂王(ちゅうおう)の妃(きさき)]も爪(つめ)咥(くわ)えてうらやましがるくらいの美貌であった。

その上、三十三天[天界の一つ]にまでその名が轟くファッションリーダー

グラマラスボディーで、柔らかくてポチャっとしたヒップを武器に、色香をふりまき、色目を使うので、若い男たちは、ゾッコンになり、何だかんだと言って言い寄るが、比翼姫は返事さえしないというのも仕方の無いことか。

一方、隣の国の万福長者(まんぶくちょうじゃ)二番目の息子に、連理(れんり)という少年がいた。

千人に一人のハンサムで、うりざね顔えくぼがあり、目元はピンと張っているが鋭くはなく、鼻筋はスッと通って、色白で、物腰もさわやかで、情けも知った文句の付けようのない若衆だった。

その連理比翼姫はいつの間にか深い仲になり、「死ぬ時は一緒だよ!」「水が漏れる隙間もないほど密着していようね!」と固く契りを交わしたのだった。

しかしまあ、油断のならない世の中であるが、二人の親たちも、二人の関係を知りながら、知らない振りをして過ごしたのだった。

そんなこんなで、比翼姫お腹子供が出来ちゃったというわけだ。

ある夕暮れ

【解説】

文殊説法続きです。

、、、これ説法なのかな???

しかしまあ、ハンサムの条件が今とはちょっと違いますかね。

うりざね顔って時点で、今ではハンサムではありませんからね(笑)

え?私はうりざね顔ですが、何か???

次回予告とくずし字クイズ

「二八」何歳のことだか、前にも出てきましたが、覚えているでしょうか?

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