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ツルッパ海洋生物「和尚魚」 ~『和漢三才図会』より~

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『和漢三才図会』から「和尚魚」だよ!

頭に毛が無いから、なんか親近感沸いちゃうな♪

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↑前回のくずし字クイズの答え♪

 

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国立国会図書館デジタルコレクション - 倭漢三才図会 : 105巻首1巻尾1巻. [32]

 

【書き下し文】

(おしょういお)
(うみぼうず)(俗に云[言]う海坊主なり)
和尚魚
(ホウシャンイェイ)

『三才図会』に云う、
東洋大海の中に、和尚魚有り。
状ち[かたち]は鱉[べつ]のごとく、其の身は紅赤色なり。
潮汐[ちょうせき]に従いて至る。」と。

△按ずるに、西海大洋の中に、海坊主と云う者有り。
鱉(すっぽん)の身に、人の面[つら]で、頭に毛髪無く、大なる者は五・六尺なり。
漁人が之[これ]を見る寸[時]は、則ち[すなわち]以て不祥と為す。
漁罟[こ]に、利あらず。
偶(たま/\)捕り得ること有らば、則ち[すなわち]将に[まさに][これ]を殺さんとす時、此の物は手を拱[こまね]きて、泪を落とし、救いを乞う者のごとし。
[よ]って誥[つ]げて曰く、
「須らく[すべからく]汝が命を免ずべし。
以後、我が漁に讎(あだ)をすべからざるか。」と。
時に、西に向かいて、天を仰[あお]むく。
此れ其の諾[だく]なり。
乃ち[すなわち]扶(たす)けて放ち去るなり。
所謂る[いわゆる]、和尚魚は是なり。

※助詞等補って書き下してますです。

 

【ざっくり現代語訳】

『三才図会』には、

東洋大[?][東シナ海?][日本海?][東洋は中国から日本を指して言う言葉]和尚魚はいます。
姿鼈甲[べっこう][亀の一種]のようで、紅赤色です。潮の流れに乗ってやってきます。」

と書いてあります。


私の記憶が確かならば、西海大洋[?][東シナ海?][日本海?][西海は主に九州地方の海を指す]海坊主というが現れます。

スッポンですが、人間のようで、ツルッパ、大きいでは1.5~1.8メートルもあります。

漁師こいつを見ると、「縁起でもねえ!」と顔をしかめます。

こいつがかかると、漁網も痛んでしまいますし。

たまたま、こいつを捕ってしまった時、漁師こいつが憎らしいので、有無を言わず殺そうとするのですが、こいつを合わせてを流し、まるで助けを乞う者のような動きをします。

仕方ないので、漁師が、

「お前のを助けてやろう。

ただし、今後一切、俺の邪魔をするんじゃねえぞ!」

と告げると、こいつは、西に向かってを仰ぎ見ます。

これがこいつ「わかりました」というサインのようです。

そして、漁師はこいつのを助けてに放してやるのです。

和尚魚というのは、この海坊主の事を言うのでしょう。

 

【解説】

紛らわしいですが、本文出でてくる『三才図会』は、中国の百科事典で、この『和漢三才図会』は、江戸時代の日本の百科事典です。

ちなみに『三才図会』和尚魚はこんなんです。

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(元画像の本には落書きがされていたので修正しました)
国立国会図書館デジタルコレクション - 三才圖會 106卷. [27]

『和漢三才図会』より若い感じですね(笑)

別名が海坊主との事ですが、とりあえず、ツルッパの海の妖怪はみんな海坊主とされていたようです(笑)

和尚魚という名前もツルッパだからつけられたのでしょうね。

詳しい場所はよく分かりませんが、日本の近海に現れたようですね。

それにしても釣った亀を逃がしてやる、どこかで聞いたようなお話ですね(笑)

翌日、和尚漁師の所にやってきて、竜宮城に連れて行ってくれるのでしょうか?(笑)

この和尚魚の正体は、『和漢三才図会』の絵と説明を見る限り、私にはウミガメ見間違えたとしか思えないのですが。。。

大きさ的にもそんなもんですよね?

「紅赤色」ということは、アカウミガメ???

手をこまねく動作をするという点は、アシカとかオットセイ、はたまたイルカとかのような気もしますが、甲羅はないですしね。。。

まあ、も手足をバタバタさせますし。。。

ウミガメを流すのは、産卵の時だけとは限らないそうですよ。。。

とまあ、アカウミガメではないかと推測してみましたが、和尚魚正体が何かご存知の方、あるいは和尚魚捕まえたことがあるという方はご一報を(笑)

三つ目コーナー

ねえねえ『和漢三才図会』にこんなのも載ってたけど、これも和尚魚かな?

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待って!これ、人魚やん!

ちょうどリクエスにもあったから、次にでも取り上げんといかんやん!

  

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