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奥村幸手軒、反撃開始! ~『男色比翼鳥』巻1の2 その5~

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『男色比翼鳥』巻1の2続きだよ♪

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※この記事では、国立国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜改変して使用しております。
男色比翼鳥 6巻. [1] - 国立国会図書館デジタルコレクション
※画像はクリックすると拡大します。

【前回のくずし字クイズの答え】

色の根元本
男色よりおこりしを當世の若人(わかふど)そのたへなるをし
らで

【原文】

きらぬに、奥村苦ひ顔して、
「いやはや、惚(とぼ)けたる若者。
そうした心底にて念頃[懇ろ](ねんごろ)ハ成り難(がた)し。
御恩を被(かうむ)り、頬桁(ほうげた)を養ふ、三代相恩(さんだいそうをん)の主人に思ひ返し若衆好き。
今更(さら)、牢(らう)人の身なればとて、左様に心変わらんや。
いでや、若道[「若衆道」の略。男色のこと]の根元(こんげん)、いち/\咄(はな)し侍らん。
抑(そも/\)、女若(によじやく)二道は、恋の両輪(りやうわ)と隔つれど、落つれば同じ濡れの沙汰[「落つれば同じ谷川の水」ということわざをもじっている]、濡れ固まつて色の一つ。
色の根元、本(もと)男色より起こりしを、當世の若人(わかふど)その妙(たへ)なるを知らで、女色に乱れ、若死(わかじ)にするこそ悲し。
誠に某(それがし)などハ慈童(じどう)が昔、増田(ましだ)が古(いにしへ)を忘れず、児(ちご)若衆の美(び)成る姿にハ、魂(たましい)を飛ばし、後家娘嫌らしき風俗(ふうぞく)見れば、時病(じびやう)の疝氣(せんき)俄(にハ)かに起こり、其の上、胸(むね)悪く

【さっくり現代語訳

言い終わらぬうちに、奥村幸手は、

あなた方は、なんともバカなことを言う若者ですねえ。

そんな生半可な気持ちでは、誰とも本当の深い仲にはなれませぬぞ!

ご恩を受け、食い扶持を与えて下さり、代々お世話になった殿を裏切るほどの若衆好きなのに、浪人になったからと言って、今更そう簡単に心変わりをするものでしょうか。

それでは、男色とは一体どういうものか、一つ一つお話しましょう。

そもそも、女色男色という二つの恋は、両側の車輪のように離れてますが、ハマってしまえば同じ色恋沙汰です。

色恋というものは、女色からではなく、元々は男色から始まったのに、イマドキの若いもんはその素晴らしさを知らないで、女色におぼれて、心中や腎虚によって若死にしてしまうから悲しいものです。

私などは、慈童[周の穆王(ぼくおう)の寵愛を受けた少年]増田[『男色大鑑』巻1の4に登場する若衆。実在の人物]昔話をずっと忘れず、稚児若衆[男色の対象となる年頃の少年]美しい姿には、を奪われるほどです。

後家娘[若くして未亡人となった女性?]汚らしい姿を見ると、持病の腹痛が急に起こり、その上、がむかつき、

【解説】

この箇所でも『男色大鑑』の影響が見られます。

『男色大鑑』井原西鶴の作品ですが、近々、待望の現代語訳が出版されるそうなので、今か今かと心待ちにしています。というか、今、初校を確認中。。。

さてさて、今度は奥村幸手女色ディスりはじめましたが、、、。

次回予告とくずし字クイズ

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三つ目コーナー

ねえ、ねえ、僕のBL作品のタイトルは、『男色三目敵討(なんしょくみつめのかたきうち)』っていうのはどう?

『男色狐敵討(なんしょくきつねのかたきうち)』って作品パロディータイトルだって分かる人はこの世に何人いるのやら。。。

 

   

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