【要約】
桃太郎は「鬼ヶ島へ宝物を奪いに行きたい」と言い出しました。
婆「なに言ってんの、この子は」
爺「まあまあ、言う通りにしてやろう」
桃太郎「きび団子を作ってくだされ」
爺「作ってやろう、だがお供がいない一人旅はなあ」
桃太郎「お供は行く途中で何とかしますから」
北尾政美(きたおまさよし)画『桃太郎一代記』天明元[一七八一]年刊
桃太郎一代記 5巻 - 国立国会図書館デジタルコレクション
※この記事では、国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜加工して使用しています。
【翻刻】【補足表記】【現代語訳】
もゝ太良おにか◆しまへわたりたから◆ものをとりて◆かへらんと二◆おやたちへ◆ねかふ
桃太良は「鬼ヶ島へ渡り、宝物を取りて帰らん」と、二親へ願う。
桃太郎は「鬼ヶ島へ渡り、宝物を奪って帰ってきたい」と両親に頼みました。
この子ハとほうも◆ないことをいやる◆どふしておにかしまへ◆ゆかるゝもの◆しや 「この子ハ途方も無いことを言やる。どふして鬼ヶ島へ行《ゆ》かるゝものじゃ」
婆「この子はとんでもないことを言う。なんで鬼ヶ島なんかに行く必要があるのじゃ」
いや/\そう◆いやるな◆のぞミにし◆たかよい
ミちのりがしれ◆ぬからともの◆たのミようも◆ない◆それとも◆ひきゃくやで◆たのんでミたら◆あろふかしらぬ
「いや/\、そう言やるな。望ミにしたが良い。
「道程《ミちのり》が知れぬから、供の頼ミようも無い。それとも、飛脚屋で頼んでミたら、有ろふかしらぬ」
爺「まあまあ、そう言いなさんな。望みどおりにしてあげようではないか。
だが、鬼ヶ島への道順が分からないから、お供の頼みようがない。
ひょっとしたら、飛脚屋で頼んだら、誰か知ってる者でもおるかしらん」
きミだんこを◆こしらへて下◆されまし
「黍団子《きミだんご》[「きびだんご」が訛(なま)った言い方]を拵《こしら》へて下されまし」
桃太郎「きび団子を作ってくださいませ」
たんごをこしらへて◆やりまセうしかし◆一人たびかこゝろ◆もとないおに◆かしへゆくとも◆もあるまいし
「団子を拵へてやりまセう。しかし、一人旅が心許《こゝろもと》無い。鬼ヶ島へ行く供も有るまいし」
爺「きび団子も作ってあげよう。だが、一人旅は不安じゃ。鬼ヶ島へ行くのに、お供がいないのはなあ」
ともゝ道◆/\よいよ◆う申して◆まいります
「供も道/\良いよう申して参ります」
桃太郎「お供は道中でうまいこと言って調達しますから、ご安心を」
【解説】
良かった、力士になるとは言い出さず、唐突ですが鬼ヶ島に行くと言ってくれて(笑)
だけど、目的が鬼退治というより、宝物を奪うというのがちょいと気になりますが。
これまた唐突ですが、きび団子も出て来て一安心です。
この先はノーマルなストーリー展開で進むと良いのですが、そうはいかないんでしょうねえヾ(๑╹◡╹)ノ"
三つ目コーナー
僕にもきび団子作ってよヾ(๑╹◡╹)ノ"
お前の頭、きび団子みてえだよなヾ(๑╹◡╹)ノ"
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