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⑥『男色子鑑』4-1「縁は朽ちせぬ二世の契り」

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 続きです、鹿之助三回忌を終えると、佐左衛門高野山を下ります。

 下の方に現代語訳解説がありますヾ(๑╹◡╹)ノ"

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※この記事では国立国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜改変して使用しています。
男色子鑑 5巻 - 国立国会図書館デジタルコレクション

【原文】

明け暮れ念仏 怠《をこた》らず、三囬忌《さんくわいき》の吊《とぶら》ひして、夫《そ》れより高野山を立ち出で、何処《いずく》とも無く惑ひ歩《あり》き、遙《はる》かに年隔《としへだ》て、近江の国 信楽《しがらき》と云ふ所、村にても何がしと見えし家に宿借りしが、亭主は六十に近き男、所柄とて、花色小紋の袷《あはせ》、同じ小紋の丸頭巾《まるづきん》、確か袷の切れと札《ふだ》付けぬばかり、口には言はねど可笑《おか》し。
納戸《なんど》の方に息子と見えて、十二三なる少人、机《つくえ》に掛ゝりて手習ひするに、其の手跡《しゅせき》の美しさ、「斯《か》ゝる田舎に珎《めづ》らし」と、猶ほ気を付けて見れば、鹿之介が面影《おもかげ》に露《つゆ》違《たが》はず、「物腰から手跡まで是程似たる不思議さ」と、何となく懐かしく、親仁に此の子を褒美すれば、高《たか》き賤《いや》しき隔《はだ》て無く、子程 可愛《かはゆ》き物は無く、涎《よだれ》流して悦び、

【現代語訳】

 佐左衛門は一日中念仏を怠《なま》けずに唱え、鹿之助三回忌法要を終えると、高野山を下りました、

 それから、どこともなくふらふらと歩きまわり、何年も経った後、近江の国の信楽《しがらき》という所で、の中でもそれなりの地位があると思われる宿を借りました。

 主人六十近い男で、この場所では定番なのか、花柄小紋着物を着ていましたが、丸頭巾同じ花柄小紋で、いかにも着物を作った残りの切れで作った丸頭巾と言わんばかりで、には出しませんが、おかしいこと。

 納戸の方にいるのは息子のようで、十二、三歳くらいの少年です。

 机に向かって勉強をしていますが、その筆跡が美しく、「こんな田舎で珍しい」と佐左衛門は思い、なおも気を付けて見てみると、その顔つき鹿之助全く同じで、「しぐさから筆跡まで、これほど鹿之助似ているのは不思議だ」と、なんとなく懐かしくなりました。

 主人この子の事を褒めると、身分高かろう低かろうと、ほど可愛いものはなく、主人ヨダレ垂らして喜びました。

【解説】

 鹿之助の三回忌を終えてからは、佐左衛門高野山を下りて、流浪の生活を送ります。

 おそらく十年くらい経った頃、佐左衛門近江国信楽の、それなりの宿を借ります。

 その家の息子がなんと鹿之助ソックリ

 はてさて、この少年何者なのか?

 次回に続くヾ(๑╹◡╹)ノ"

の事をタコにソックリだなんて言うのは!ヾ(๑╹◡╹)ノ"

 

 

 

 

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