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化け物何匹いるのかな? ~『化物昼寝鼾』その11~

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『化物昼寝鼾(ばけものひるねのいびき)』(市場通笑作、鳥居清長画、天明四[1784]年刊)

国会図書館の画像を利用しています。
国立国会図書館デジタルコレクション - 化物昼寝鼾 2巻

早稲田大学図書館所蔵の本の方が状態が良いです。
[怪物昼寝鼾]. 上,下 / 通笑 作 ; 清長 画

 

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【原文】

 昔風の化け物、擂粉木《すりこぎ》に羽が生え、盃台《さかづきだい》や行灯《あんどう》の化け物、古めかしと、当世、かう語り[?]、丼《どんぶり》の化け物なんても粋に化けねバ面白くなし。
 毎年《まいねん》の春狂言、曽我兄弟の貧乏で色男、梶原が意地悪、同じ事でも趣向が替わる故、新狂言になりて、大入り。
 化け物も趣向を変えて当てる気ハ奇特《きどく》なり。

【ざっくり現代語訳】

 ながらのスリコギが生えたのや、盃台行灯の化け物は、今では古めかしいと言われます。

 たとえドンブリの化け物でもイキに化けなければ面白くありません。

 毎年の新春の歌舞伎興行では、貧乏で色男曽我兄弟に、梶原平三景時イジワルをするという、定番出し物[「曽我物」]がありますが、同じ内容でも、演出を変えるので、新作として成立し、大入りになるのです。

 このお話化け物も、化け方の演出を変えて人気を得ようと努力したのは、感心なことです。

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