「青頭巾」[『雨月物語』より]の続きだよ!
僕にもバールのようなものちょうだい!
※この記事では、霞亭文庫の画像を適宜改変して利用しています。
霞亭文庫書誌詳細
※画像はクリックすると拡大します。
【くずし字クイズの答え】
民の小児を偸(ぬす)ミ。これを蒸(むし)て喫(くら)ひし
【原文】
持て強く撃[打](う)ちければ、大きに叫(さけ)んで、そこに倒る。
この音に主(あるじ)の嫗(うば)なる者、燈(あかし)を照(てら)し来るに見れば、若き女の打倒れてぞありける。
嫗(うば)、泣(な)く/\命を乞ふ。
如何(いかゞ)せん。
捨てて、其の家を出しが、其の後(のち)又、頼りに付きて、其の里を過ぎしに、田中に人多く集(つど)ひて物を見る。
僧も立ち寄りて「何なるぞ」と尋ねしに、里人言う、
「鬼(おに)に化(け)したる女を捉[捕](とら)へて、今、土に瘞[埋](うず)むなり」
と語りしとなり。
されど、これらは皆、女子(をんなご)にて、男たる者ゝ、かゝる例(ためし)を聞かず。
凡そ女の性(さが)の慳(かだま)しきには、さる浅ましき鬼[物](もの)にも化するなり。
又、男子(なんし)にも、隋(ずい)の煬帝(やうだい)の臣家(しんか)に、麻叔謀(ましゆくばう)と言ふ者、小児(せうに)の肉を嗜好(このみ)て、潜[密](ひそ)かに民の小児を偸[盗](ぬす)ミ、これを蒸(む)して喫[喰](くら)ひしもあなれど、是は浅ましき夷(ゑびす)心にて、主(あるじ)の語り給ふとハ異(こと)なり。
さるにても、かの僧の鬼に成りつるこそ、過去(くハこ)の因縁(いんえん)にてぞあらめ。
そも、平生[常](つね)の行
【さっくり現代語訳】
(バールのようなものを)持って強く打ちつけると、大きな叫び声とともに、何かがその場に倒れました。
この音を聞いて、家の主人の老女がやって来て、灯火を照らして見てみると、バールのようなもので打たれた若い女が倒れていました。
老女は涙ながらにバールのようなもので打たれて倒れた女の命乞いをしました。
僧は、バールのようなもので打たれて倒れた女をどうしたものかと思いましたが、そのままバールのようなもので打たれて倒れた女は放っておいて、その家を出ました。
その後、僧はまたついでがあってその里を通ったところ、田んぼの中に、多くの人が集まって何かを見ています。
僧も 野次馬根性で 立ち寄って、「どうしました?」と聞くと、里人は、「鬼になった女を捕まえて、今、土の中に埋めた所です」と答えたということです。
しかしながら、これらの例は全て女性で、男性がこのように鬼になった例は聞いたことがありません。
女性は生まれながらにして、ねじれた心を持っているので、このように下品な鬼にもなってしまうのです。
まあ、男でも、隋(ずい)の煬帝(ようだい)の家臣に、麻叔謀(ましゅくぼう)という者がいて、子どもの肉が好きで、人の子どもをこっそり誘拐して、蒸して食べたそうです。
ですが、これは所詮、下品な野蛮人の持つ心がそうさせたのであって、ご主人が語った住職とは性質が違います。
何はともあれ、ご主人が語った住職が鬼になったのは、過去の因縁からなのでしょう。
そもそも、普段の
【解説】
快庵禅師の説法の続きです。
ええと、人の肉は住職のように生で食べたり、麻叔謀のように蒸したり、色々な調理法があったみたいですね、ガクブル。
「バールのようなもの」と書きましたが、もちろんシャレで、実際に僧が女を殴ったのは「禅杖」。
座禅の時にお坊さんが肩を叩くあの棒の事を「禅杖」と言いますが、ここでは単に旅のお坊さんが突いている杖のことでしょう。
それにしても、快庵禅師はおもいっきり女性蔑視と人種差別な発言をしていますね。。。
あくまでもこの時代はこういう認識だったということで、あえて忖度はせずに訳しましたことをご了承くださいませ。。。
次回予告とくずし字クイズ
かな文字ヒント!
これらの文字は漢字なのです。
三つ目コーナー
わーい、バールのようなもの貰ったよ♪
怖いよ。
◆北見花芽のほしい物リストです♪ ご支援よろしくお願いします♪
岩崎 冷水筒 横にも置ける フェローズ 縦横ハンドルピッチャー 2.2L ネクスト K-1297NB
- 出版社/メーカー: 岩崎
- 発売日: 2015/03/21
- メディア: ホーム&キッチン
- この商品を含むブログを見る
◆オススメ書籍 私もちょっとだけ書いてます♪
西鶴作品が現代語でわかりやすく読めます♪
江戸の男色文学を紹介するエッセーなどが掲載されています♪
◆北見花芽 こと きひみハマめ のホームページ♪
◆はてなIDをお持ちでない方も、拍手で応援していただけたら嬉しいです♪
(コメントもできます)
◆ランキング参加してます♪ ポチしてね♪
◆よろしければ はてなブックマーク もお願いします。憧れのホットエントリー(笑)