化物三ツ目大ほうい 2巻 - 国立国会図書館デジタルコレクション
妖相生の盃 2巻 - 国立国会図書館デジタルコレクション
富川吟雪画『妖相生盃(ばけものあいおいのさかずき)』安永3[1774]年刊
※この記事では、国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜加工して使用しています。
※国会図書館には、同じ内容の本が二冊保存されているので、どちらか状態が良いページを選んで使用することにします。
※リンク先の 書誌情報→簡易レコード表示にする で、あらすじなどの解題が読めますが、ネタバレになるので、読むのは最後になさった方がよいでしょう。
※画像は拡大できます。
【原文】【さっくり現代語訳】
天竺浪人が母安達婆、三ッ目が心底を察し、
「化け様《よう》が悪い、出直せ」
と膳部《ゼんぶ》を蹴散らかす。
「安達ケ原で名を得たる此の婆を美食を以て綾《あや》[彩]なさんとは、愚か/\」
天竺浪人の母の安達婆は、三つ目の魂胆を見抜き、
「こんなんでワシを騙せると思ってるのか! ハゲ頭を洗って出直せ!」
と言って、お膳を蹴散らしました。
「安達ケ原で旅人を食って有名になったこの婆を、美味い物を食わせて釣ろうだなんて、バカバカしいったらありゃしない!」
三毛衛門が女房、叔母[伯母]安達婆を呼び、様/\軽薄して、天竺浪人を味方にせんと計る。
猫又三毛衛門の妻は、オバの安達婆を呼び、色々ヨイショして、天竺浪人を味方に付けようと試みます。
三ッ目の大坊主、牛久保の天竺浪人を召し抱えんと母[婆?]を呼び寄せ馳走《ちそう》せしに、安達婆が振る舞い、得心《とくしん》[篤心?]無き故、腹を立てる。
「憎っくい、化け損ないめが」
三つ目大坊主は、牛久保の天竺浪人を召し抱えるため、天竺浪人の母の安達婆に取り入ろうと呼び寄せて、御馳走《ごちそう》で お・も・て・な・し したのですが、安達婆がメッチャ馬鹿にした態度を取ったので、激おこぷんぷん丸。
「ああ憎たらしい、この下等妖怪めが!」
三毛衛門、三ツ目が短気を宥《なだ》める。
猫又三毛衛門はキレている三つ目大坊主をなだめます。
【解説】
安達婆とは、いわゆる安達ケ原の鬼婆のことです。
安達ケ原の鬼婆とは、安達ケ原[福島県]の人里離れた一軒家に住んでいて、旅人を泊めては殺して食っていた恐ろしい鬼婆です。
鬼婆に取り入ろうとしたら、美食じゃなくて、人間を食べさせなきゃダメというわけですねヾ(๑╹◡╹)ノ"
安達婆のお膳をひっくり返す行為は、二百年後に星一徹がちゃぶ台をひっくり返す行為に受け継がれるわけですヾ(๑╹◡╹)ノ"
三つ目大坊主が天竺浪人を味方に付けようとした試みは、見事に失敗してしまいますが、天竺浪人を召し抱えたいのは、どうやら三つ目大坊主だけではないようでして、次回に続くというわけです。
三つ目コーナー
ワシは輪入道の輪香奈(わかな)じゃよ!
「輪入道」で検索すると、ラッパーが出て来てややこしいからって、勝手に「輪香奈」って改名させられたのに、忘れたの?
かわいそうに、誰がそんな変な名前つけたの?
北見花芽だよヾ(๑╹◡╹)ノ"
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『男色を描く』も合わせてお読みいただけるとより楽しめると思いますよ♪
※ こちらも北見花芽の中の人がちょっと書いていますので。
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