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[15]内蔵之助は恋の仲立ちとなったのでした ~『男色義理物語』~

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 【前回のあらすじ】

 内蔵之助は、采女が好意を持っていることを、それとなく頼母に伝えてしまい、釆女に告白するよう促すのでした。

 

 【初めての方へ】

 原典の画像だけでなく、スクロールすると、ちゃんと活字の原文(可能な限り漢字に直し、送り仮名と振り仮名を補足しています)と現代語訳と解説がありますよヾ(๑╹◡╹)ノ"

 

 スマホでご覧の方へ】

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霞亭文庫 · 男色義理物語 · 東京大学学術資産等アーカイブズ共用サーバ
男色義理物語 : 4巻 - 国立国会図書館デジタルコレクション
※赤字の書入れ等は筆者。

 

【原文】【現代語訳】

 只《たゞ》、果無《はかな》き鳥の跡[文字]バかりなる対面に、人の心の奥も見給へ」
 ただ、くだらない和歌を書いて、想像の中だけであの人(=頼母)に会うのではなく、直接、あの人(=頼母)の本心をお確かめください」
 と、内蔵之介は言いました。


 と、頻《しき》りに此の内蔵之助《くらのすけ》に唆《そゝのか》されて、否《いな》ミ難《がた》ふ、又は、彼《か》の筋《すじ》に心弛《こゝろたゆ》ミて、
 釆女は内蔵之介に強くそそのかされて断り切れず、また、内蔵之介の筋道を立てた話に気持ちもほぐれたので、

「縦《よし》や此の儘《まゝ》に恋死《こひじ》すとも、世の果敢無《はかな》きに言ひ置きて、亡《な》き後《あと》迄《まで》も人に知らせじ等《など》ゝ、年頃《としごろ》念詫《ねんわ》び侍れども、
「たとえこのまま恋死《こいじに》したとしても、はかないこの世にあの人(=頼母)への思いは言い捨てて、死んだ後でも誰にも知らせまい、などと、ずっと思い嘆いていました。

 御心馳《おんこゝろば》せ、切《せつ》に黙《もだ》し難《がた》く、有り難けれバ、今は然《さ》のみ」
 でも、あなた様(=内蔵之助)の御心配りを、とても無視することなどできず、ありがたいので、今は、まあ、そういうことで」

 等《など》ゝつぶ/゛\打ち笑ひて、
 などと、ぶつぶつ言いながら笑いました。

 紅葉襲《もみじがさね》の薄様《うすよう》の取る手も燻《くゆ》るばかりなるに、心の内に書き包《くる》めて、奥に、
 そして、あれこれ考えながら、紅葉模様の薄手の和紙を手に取って、頼母への思いを全て手紙に書きました。
 手紙の最後に、

[「紅葉襲《もみじがさね》の薄様《うすよう》」は、ここでは和紙の種類と解釈したが、着物の種類にも解釈できる]

「引き止めし 心の関《せき》も 陸奥《みちのく》の 忍ぶに余る 袖の露かな」
陸奥国に通じる白河の関ではありませんが、私(=采女)の心の中の関所で、あなた(=頼母)への思いを止めました。
 それでも、やはり、袖を涙で濡らすことは、我慢できません」
[「陸奥」は「忍ぶ」を導く歌枕的に使われている]


 と、引き結びて差し置きぬ。
 と書き、しっかり結んで、内蔵之助の前に置きました。

 仲立ち取り持ちて、其の後《ゝち》よりハ、心の暇《いとま》無く、人目窺《うかゞ》ひ、彼方此方《かなたこなた》と立ち添《そ》へど、逢離《あふさきるさ》に障《さハ》り有りて、心にも任せず、
 仲立ちとなった内蔵之助は、手紙を受け取り、それからは、心の余裕も無く、人目をうかがいながら、手紙を渡そうと、あちらこちらと頼母のそばに付きまとったのですが、あれやこれやと差し障りがあって、思うようにいきません。

 一日二日は袖の内に深く納《をさ》めて躊躇《ためら》ひけるにも、
 一日二日と、手紙を袖の中に深く納めてためらい、

「幾千代《いくちよ》送り迎へて、虚《むな》しく紙魚《しミ》の住処《すミか》と成《な》らん」
「このまま長い時間が経って、むなしく手紙は紙魚《しみ》[紙を食べる虫]に食べられてしまうのではないか」

 と、悩める人よりハ猶《なを》、心苦しく思ひ明かしける朝《あした》、
 と、恋に悩む采女よりも、もっと心苦しく思い悩みながら、夜を明かすのでした。
 そんな朝、


 彼《か》の人、南面《なんめん》の端近く立ち寄り、何と無く花に嘯《うそぶ》き、眺《なが》め居たるに、
 あの人(=頼母)は屋敷の南の端近くに立ち寄って、なんとなく花に向かって歌をくちずさみ、ぼんやりと眺めていました。

 誠に枝も撓《たはゝ》に咲き乱れたり。
 実に木の枝には、花がたくさん咲き乱れています。



 【解説】

 あら、まあ、内蔵之介は本当に采女と頼母の仲を取り持つようです。

 内蔵之介の胸中は如何に???

 采女のラブレターを頼母に渡すチャンスがなかなか無いようでしたが、次回には渡せるのでしょうか? 続く!



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 僕は紙魚も好物だよヾ(๑╹◡╹)ノ"

 こないだ、ヒメマルカツオブシムシを食べてたよな
ヾ(๑╹◡╹)ノ"


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