金太郎 - 国立国会図書館デジタルコレクション
※この記事では国立国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜改変して使用しています。
【原文】
この折から源頼光朝臣《ミなもとのらいくハうあそん》、四天王《してんわう》の面/\を召し具し、任国へ下向の砌《ミぎり》、この有様を見給ひ、凡人《ぼんにん》ならぬを知り給ひ、母を呼び出だし所望有りけれバ、母ハ喜び、「多年の心願叶ひし」と御礼《おんれい》申し、快童丸[金太郎]を教訓し、「忠義を尽し仕へよ」と言ひ含め、「最早浮世に望ミなし」、頼光朝臣を見送り奉り、山また山に木隠れて行方も知らずなりにけり。
[母]「最早対面これ限り、随分達者でさらバ/\」
[金太郎]「母人《はゝびと》何処《いづく》へ行き給ふ、今一度、御顔《おんかほ》見せて給ひ、のふ/\」
【現代語訳】
この頃、源頼光朝臣《みなもとのらいこうあそん》は、家来の四天王のメンバーをスカウトしながら、国司として任命された国に向かっていました。
そして、金太郎がイノシシをあっさり倒す姿を見て、ただ者ではないとお見抜きになりました。
金太郎の母を呼び寄せ、「金太郎を貰い受けたい」と言うと、金太郎の母は喜び、「長年、心で願っていたことが叶いました」と頼光朝臣にお礼を申し上げました。
金太郎の母は金太郎に「頼光朝臣に忠義を尽くして、しっかりお仕えしなさい」とよく分かるように言って聞かせました。
そして、金太郎の母は「もはやこの世に未練はない」と頼光朝臣を見送り申し上げると、山から山に身を隠し、行方知れずになりました。
金太郎の母「もうお前の顔を見るのはこれが最後じゃ、くれぐれも元気でな、さらばさらば!」
金太郎「お母さま、どこへ行かれるのです、もう一度だけでもお顔を見せてくだされ、ねえねえ!」
【解説】
母親が人里を離れて金太郎を育てていたのは、誰にも目を付けられずに、金太郎を頼光の家来にするためだったというわけです。
杖を突いて雲に乗っている様子を見ると、母親も人間じゃないかもしれませんよね、仙女っぽいです。
頼光は任国への道中で山道を通っていたんでしょうね、たぶん偶然じゃなくて全て金太郎の母に仕組まれていたような気がします。
あまりにもあっさりと母は金太郎の前から姿を消しますが、人間じゃないとしたら、どこかからか金太郎を見守っていることでしょうねヾ(๑╹◡╹)ノ"
次回で最終回ですヾ(๑╹◡╹)ノ"
三つ目コーナー
ねえ、ねえ、僕って北見花芽の家来なの?ヾ(๑╹◡╹)ノ"
ううん、赤の他人ヾ(๑╹◡╹)ノ"
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