御伽草子. 第19冊 (一寸法師) - 国立国会図書館デジタルコレクション
※この記事では、国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜加工して使用しています。
【原文】
御心の内、推し計らひてこそ候へ。
あら労《いた》はしや、一寸法師ハ、姫君を先に立てゝぞ出《い》でにけり。
宰相殿《さいしやうどの》ハ、
「哀れ、此の事を止《とゞ》め給ひかし」
と思《おぼ》しけれども、継母《まゝはゝ》の事なれば、さして止め給はず。
女房《にうバう》達も付き添ひ給ハず。
姫君は浅ましき事に思《おぼ》し召して、
「斯《か》くて、何方《いづかた》へも行くべきならねど、難波《なひは》の浦へ行《ゆ》かばや」
とて、鳥羽の津より、舟に乗り給ふ。
折節、風荒くして、興《きやう》がる島へぞ着きにける。
舟より上がり見れバ、人住むとも見えざりけり。
斯様《かやう》に風悪《かぜわろ》く吹きて、彼の島へぞ吹き上げる。
「とやせん、かくやせん」
と思ひ煩ひけれども、甲斐も無く、舟より上り、一寸法師ハ、此処彼処《こゝかしこ》と見巡れば、
【現代語訳】
姫君のお気持ちを考えると、同情を禁じ得ません。
ああ、おかわいそうに、一寸法師は姫君を先に行かせて、家を出るのでした。
宰相殿は、
「ああ、姫が出て行かはるのを、誰か止めてくれはらんか」
とお思いになりますが、宰相の妻は姫君には継母《ままはは》になるので、たいしてお止めにもなりません。
しかも、女房達も誰も姫君には付き添いません。
姫君は、嘆かわしくお思いになり、
「こうなっても、どこへ行く当てもあらしませんが、一寸法師の故郷の難波の浦[難波の浦に住吉の浦も含まれる]にでも行きたいのう」
と言って、鳥羽の津から舟にお乗りになりました。
その時、風が強く吹いて、奇妙な島に舟は流れ着きました。
舟から上がって見てみると、人が住んでいるようには見えませんでした。
戻ろうにも、まだ悪い風は、この島に吹き続けています。
「どないしよ、どないしよ」
とあれこれ考えましたが、どうしようもないので、舟から上がって、一寸法師は、あちらこちらを見て回りました。
【解説】
ついカッとなって言ってしまったことを後悔するものの、今更、出て行く姫君を止める事ができない宰相。。。
しかも、継母は冷たいし、女房達も継母側の人間のようで、姫君もかわいそうな境遇だったのですね。
それを見かねて、一寸法師は連れ出そうとしたのかもしれません。。。
さて、舟で難波の浦へ行くことになった姫君と一寸法師ですが、運悪く、風に流されて舟は奇妙な島に漂着してしまいます。
人は住んでないみたいだし、悪い風は吹き続けて戻れないし、この時代はスマホもないから、電話も出来ないし、LINEとかも使えないですし、はてさてどうなるのやら。
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