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[8]水戸黄門、八幡の藪知らずへ!~江戸時代に書かれた水戸黄門漫遊記~

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『義公黄門仁徳録《ぎこうこうもんじんとくろく》』[江戸中後期成立か。呑産通人(呑産道人)作]巻二十七「下総国八幡宮藪を八幡知らずと申す事」
国文学研究資料館所蔵 (CC BY-SA) 
新日本古典籍総合データベース

【原文】

 是によつて、暫く岩に御腰を掛けられ、御休足《ごきうそく》有つて、八方を御覧あるに、左りの方に、夥《おびたゞ》しく生い繁り、木の間より微《かす》かに見ゆるか見へぬかと言ふ程に、燈《ひ》の光り立ちければバ、
「扨《さて》こそ此所《ここ》彼《か》の変化の棲家《すみか》にて有るべし」
 と思《おぼ》し召しけれバ、杦《すぎ》の繁ミを彼方此方《かなたこなた》と御歩行有るに、是よりは更に道と言ふ物無く、蔦葛《つたかづら》に御手を掛けられ、或ひハ木の根を攀《よ》ぢ登り給ひ。又ハ冷水の流れを渡り給ひ、熊笹の生い繁りたる事、弥《いや》が上に重なり、御足を痛め給へ、誠に千辛万苦《せんしんばんく》遊ばし、漸《やう/\》少し広き所へ出給ふに、向かふを御覧有れバ、古びたる社《やしろ》有り。
 鳥居は朽ちて、笠木も傾《かたぶ》き、家根《やね》ハ荒れ果てゝ、草生い繁り、いと森《しん》し[森/\]たる事、誠に神さびて見へ給ふニ、何の社と言ふ標《しるし》も無く、其の内に微《かす》かに燈明を掲《かゝ》げ有り。
 是、最前、仄《ほの》かに見いし者なるべし。
 是によつて、義公様、荒れ朽ちたる社檀へ御草鞋《おんわらぢ》のまゝ上らセ給ひ、良く/\御覧有るに、正八幡《しやうはちまん》と記したる額の、如何《いか》にも古びて文字さへ更に分かたず、漸《やう/\》文字見へけれバ、爰《ここ》に於《お》いて社檀に跪《ひざまづ》き給ひて、源家《げんけ》の守り神なれバ、暫く拝ミ給ひ、

【現代語訳】

 そういうわけで、義公様[黄門様]は、しばらくお掛けになって、お休みになりました。
 八方ご覧になると、左の方がたくさん生い茂り木の間から、見えるか見えないぐらいかすかに、灯明確認できました。
「まさしく、ここが八幡知らずの化け物の棲《す》み家だろう」
 と義公様お思いになり、杉の茂みあちらこちらお歩きになりました。
 ここからは、全くと言うものが無く蔓草《つるくさ》おかけになられたり、木の根よじ登りになられたり、冷たい水の流れお渡りになられたりしました。
 熊笹が何重にも生い茂るので、お痛めになり、実に苦しい思いをなされ、やっとのことで少し広い所お出になりました。
 前方見ると、古びた社《やしろ》がありました。
 鳥居朽ち笠木[上部に渡した横木]傾き屋根荒れ果て生い茂り、たいそうひっそりと静まり返り、いかにも年を経た様子に見えました。
 何の社という標《しるし》も無く、社殿の中かすか灯明掲げられていました。
 この灯明は先ほど、木の間からかすか確認したものでしょう。
 こうして、義公様荒れて朽ちた社殿草鞋《わらじ》のままお上りになり、よくよくご覧になると、いかにも古びて「正八幡《しょうはちまん》」と記した文字がやっとのことで読めるがありました。
 八幡神源氏の守り神なので[徳川家は源氏の流れという]、ここで義公様社殿ひざまづかれ、しばらく拝まれました。

【解説】

 道なき道進み黄門様はようやく化け物のアジトだと思われる古いお社《やしろ》にたどり着きました。
 果たして化け物の正体は? 黄門様の運命はいかに? 次回に続くヾ(๑╹◡╹)ノ"

  やっぱり化け物なのかなあヾ(๑╹◡╹)ノ"

 バケ物というより、ハゲ物だよヾ(๑╹◡╹)ノ"

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