国書データベース
※国文学研究資料館所蔵 (CC BY-SA)
【原文】
最前 與《あた》へし珠數《じゆず》を見セければ、
「其れなん、我、得《え》たしり珠數《じゆず》なり」
と言へり。
累《かさね》が法名《ほふミヤう》を理屋照貞《りをくセうてい》と改《あらた》め、菊《きく》を不生妙槃《ふセうミヤうハん》と名付けて、一夜《いちヤ》念仏《ねんぶつ》して、絹川《きぬがハ》の辺《へん》に石塔《セきたふ》を建てしと也。
同四月十九日の早朝《そうてう》に又、菊《きく》、俄《ひハ》かに苦しむ事、前の如し。
村人集まり問《と》へバ、物言はず。
祐天《ゆふてん》来り給ひて、
「汝《なんぢ》ハ累にてハ無し。
彼は決定往生《けつじヤうワうじヤう》せし事なれば、再《ふたゝ》び来る事、有《あ》らじ。
狐狼《こらう》野干《ヤかん》の所為《しワざ》ならん」
と責《セ》めしかば、
「我《ワれ》は左《さ》有る者にてハ無し。
【現代語訳】
菊は、昨日、祐天が与えた数珠を見せ、
「これが、私があの世で僧から与えられた数珠です」
と言いました。
祐天は、累《かさね》の戒名を理屋照貞《りおくしょうてい》と改め、菊を不生妙槃《ふしょうみょうはん》と名付けて、一晩、念仏をして、絹川の辺りに石塔を建てました。
同年四月十九日の早朝にまた、菊は急に前のように苦しみ出しました。
村人が集まって聞いても、菊は何も言いません。
祐天がいらっしゃって、
「お前は累ではない。
累は極楽往生したので、再びこの世に来ることはない
狐や狼や野干《やかん》[中国の伝説上の獣]の仕業であろう」
と責め立てると、
「我はそのような者ではない。
※『古今犬著聞集』から『新著聞集』に至る過程で、編者はわかりやすく書き直したつもりだったのでしょうが、読み間違いなどから、かえって分かりにくくなってしまっているので、『古今犬著聞集』も参照しながら訳しています。
【解説】
つまり、夢の中のあの世で菊が会った僧は祐天で、菊は夢の中のあの世で祐天から数珠を受け取っていたのですね。
祐天は「彼[累]は決定往生[極楽往生]せし事なれば」と言っているので、累は極楽に行けたみたいですね。
さて、累が成仏して一件落着かと思いきや、菊に再び何者かが取り憑《つ》きます。
はたして、菊に取り憑いた者の正体は???
僕は数珠より、つないだ蚊の目玉を与えてほしいよヾ(๑╹◡╹)ノ"
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