さてさて、今回から詠み始める作品は、喜三二[平沢常富]作、北尾重政 画『亀山人家妖(きさんじんいえのばけもの)』(天明7 [1787]年刊)でございます!
「おバカ男子の話」トビー(id:kapibara5168) さん、
「本所七不思議」 toikimi(id:toikimi) さん、
「怪奇もの」ColdSnap(id:ColdSnap) さん、
のお三方のリクエストに一気に答えるべくセレクトしました!
※この記事では国会図書館デジタルコレクションの画像を適時改変して使用しています。
絵本国土産 - 国立国会図書館デジタルコレクション
※画像はクリックすると拡大します。
【原文】
自序(じじよ)
咄(はなし)を画(ゑ)に描くと言ふ事ハ有れど、序文(じよぶん)を画(ゑ)に書[描]いた例(ためし)ハ。
此処(こゝ)に絵草紙問屋(ゑざうしといや)蔦屋重三郎(つたやぢゆうざぶらう)、絵草紙の作者喜三二(きさんじ)が元へ年礼に来る。
「未(ひつじ)の春の新版青本[絵草紙の一種]を頼む。」
「来年のをもう頼むのか。
随分、春の内、書きやせう。
書こうと思へば直(ぢき)に出来る。」
等(など)大己(おほうぬ)[?]を並べる。
「当春(とうはる)の『大福帳』ハ、とんだ評判が良う御座りまして、有難う御座ります。」
等(など)ゝちよ/\らを言ふ。
【さっくり現代語訳】
自序
話を絵で描くということはありますが、序文を絵で描いたことはありましたでしょうか。
絵本問屋の蔦屋重三郎(つたやじゅうざぶろう)が絵本作家の喜三二(きさんじ)の所に年始の挨拶(あいさつ)に行きました。
蔦屋が、
「未(ひつじ)年の正月用の新刊絵本を書いてくださいませ。」
と頼むと、
喜三二は、
「来年のをもう頼むのですか。
さっさと正月の内に書いてしまいましょう。
書こうと思えばすぐに書けます。」
などと自惚(うぬぼ)れたことを言いました。
蔦屋は、
「今年の正月に出した『天道大福帳 ( てんとうだいふくちょう)』はたいそう評判がようございまして、ありがとうございます。」
などと口先だけのお世辞を言いました。
【解説】
いきなり「序文を絵で描く」という、ふざけてるんだか何だかよくわかんない宣言から始まりました。
蔦屋重三郎はこの作品の出版者です。
写楽の絵を出版したりした有名な出版者ですね。
そして、喜三二はこの作品の作者。
蔦屋が喜三二に、翌年の正月の作品を依頼するという、内輪ネタのような場面から始まります。
文中に登場する『天道大福帳 ( てんとうだいふくちょう )』は実際にこの作品が出版される前の年、天明六[1786]年の正月に刊行されています。
ちゃっかり旧作の宣伝をしちゃってるわけです。
次回予告とくずし字クイズ
あら?すぐに書けると言ってませんでしたっけ?
三つ目コーナー
今回こそ三つ目が登場するのかな、ドキドキワクワク♪
ううん、登場しないよ(満面の笑み)
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