うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~

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北斎仮宅之図 ~ゴミ屋敷に住む北斎親子~

 

 

今回は、「定番の昔話が江戸時代にはどう書かれていたか?」シリーズお休みして、北斎仮宅之図」紹介します。

結構、有名な絵なので、葛飾北斎好きの方は目にしたことがあるのでは?

なんて書いてあるのかずっと気になってて、まあ、検索すればネット上でも色々出てくるんですけど、やっぱ、自分で読んでみないといけないなと思いましてなヾ(๑╹◡╹)ノ"

北斎仮宅之図」は、明治に入ってから、北斎の弟子露木為一《つゆきいいつ》が、北斎本所[現墨田区の借家に住んでいた頃天保の終わりごろ(一八四〇年代)か]の様子を描いて、浮世絵研究家飯島虚心《いいじまきょしん》贈ったものです。
葛飾北斎伝 : 2巻. 下巻 - 国立国会図書館デジタルコレクション

北斎為一名乗っていた時期があるので、露木為一は、その名を継承したのでしょう。
露木為一北斎を含め、三代目為一だそうです。
浮世絵師伝 - 国立国会図書館デジタルコレクション

※この記事では、国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜加工して使用しています。
〔北斎仮宅之図〕 - 国立国会図書館デジタルコレクション

【原文】

①卍《まんじ》、常ニ人ニ語る事、「我は枇杷葉湯《びはえふたう》に反し、九月下旬より、四月上旬迄、巨燵《こたつ》を放《はな》るゝ事無し」と。
 如何《いか》なる人と面會《めんくわい》為《な》すと雖《いへど》も、放るゝ事無し。
 画くにも又、可此《かくべし》[如此《かくのごとし》?]
 倦《あ》く時は、傍《かたは》らの枕を取りて眠る。
 覚《さ》めれば又、筆を取る。
 夜着《よぎ》の袖は、「無益《むえき》也」とて、不付す[付けず?]

②本所龜沢町榛馬場《ほんじよかめざはちやうはんのきばば》、借宅の躰《てい》、老人長く住居故、御咄ニ画《ゑが》く。

③御物語残り、御目通《おめどほし》之節[?]、言ひ上げ、可此《かくべく》[如此《かくのごとく》?]候。
 為一《いいつ》百拝《ひやくはい》

④昼夜、如斯也故《かくのごとくなるゆゑ》、炭にてハ逆上《のぼせ》為《な》す故、炭團《たどん》を用ゆ。
 然る故、虱《しらみ》の湧く事、喩《たと》ゆるニ物無し。

⑤画帖《ぐわでふ》扇面《せんめん》之儀は、堅く御断り申し候。
 三浦八右ヱ門

⑥娘
 栄《ゑい》

⑦角《すみ》一遍《いつぺん》之分、板敷上、佐倉炭俵、土産物の桜餅の籠、鮓《すし》の竹の皮、物置ト掃溜《はきだめ》と兼帯《けんたい》也。

⑧蜜柑箱《みかんばこ》ニ高祖像を安置す。

【現代語訳】

①卍《まんじ》北斎の別名]は、いつもに、「ワシ枇杷葉湯《びわようとう》枇杷の葉などを乾燥させ、それを煎じた汁。食あたりや暑気あたりに効くとされ、夏(四月から九月ごろまで)には試飲させながら売った]とはに、九月下旬から四月上旬まで、タツから離れない」と言っていました。
 どんな会う時でも、タツから離れる事はありません。
 描く時も、タツから離れません
 描くのに飽きたら、横の枕を取って、そのまま眠ります。
 起きたら、また、そのままを取って描きます。
 夜着《よぎ》[着物の形をした掛け布団]は、「無駄だ」と言って、付けません。

②本所亀沢町榛馬場《ほんじょかめざわちょうはんのきばば》借家に、老人北斎は長く住んでいたので、お話のタネにその様子を描きます。

③お話のタネとして、残りの文章にも目を通していただきますよう、このように申し上げます。露木為一《つゆきいいつ》 百拝《ひゃくはい》[うやうやしく礼をすること]

④昼夜問わず、このようにタツから離れないので、タツ熱源にすると、火力強くのぼせてしまうので、火力弱い炭団《たどん》を使っています。
 そういうわけで、シラミが、たとえることができないくらい、湧いています。

⑤画帖《がじょう》[画帳。今で言うスケッチブック]扇面《せんめん》[扇子《せんす》]描くことは、堅くお断り申し上げます。三浦八右衛門北斎の別名]

⑥娘栄《えい》葛飾応為《かつしかおうい》]

⑦部屋の隅一画板敷きは、佐倉炭の俵土産物桜餅の籠寿司を包んだ竹の皮、など、物置ゴミ捨て場兼ねています。

⑧ミカン箱日蓮上人像祀《まつ》っています。

【解説】

夜着(『守貞謾稿』より)

守貞謾稿. 巻18-19 - 国立国会図書館デジタルコレクション

②本所亀沢町榛馬場場所は、戸切絵図では、このあたりです。現在両国国技館北斎通り北斎美術館近くですね。

〔江戸切絵図〕. 本所絵図 - 国立国会図書館デジタルコレクション

これは、露木為一から飯島虚心へのメッセージでしょうね。
「最後までちゃんと読んでね byいいつ(ぺこり)」ってことですヾ(๑╹◡╹)ノ"

④着替え入浴をちゃんとしていれば、シラミ湧かないみたいなんですが、ずっと夜着を被ってタツ入りっぱなしのようなので。。。

⑤ファンとかが画帖扇面を持って「描いてくれ」やって来て鬱陶しいから、こんな貼り紙をしたのでしょうか? それとも、何らか別の理由があって、画帖や扇面の仕事お断りだったのでしょうか?

ここに描かれている女性は、北斎の娘お栄さんペンネーム葛飾応為です。
 こちらは応為の代表作ですが、江戸時代の絵とはとても思えないクオリティーです。北斎のDNA確実に受け継いでいます。
Yoshiwara Kōshisakinozu.jpg
wikipediaより
 ちなみに、提灯の中に、「應」「爲」「栄」隠し署名があります。
 行灯には、「いつミ屋(いずみ屋)」「千客萬来」と書かれています。
 暖簾《のれん》の文字「~つみや(いずみ屋)」です。

北斎応為はかなり不潔な環境暮らしていたようです。今で言うゴミ屋敷ですね。

北斎熱心日蓮宗信者だったそうです。

北斎タツに入りっぱなしで、シラミ湧こうが、ゴミだらけになろうが、おかまいなしに絵に没頭していたようです。
こちらは北斎の自画像ですが、布団を被った北斎の横にあるのは尿瓶ですヾ(๑╹◡╹)ノ"

葛飾北斎伝 : 2巻. 下巻 - 国立国会図書館デジタルコレクション

トイレに行く間も惜しんで、ということでしょうかヾ(๑╹◡╹)ノ"ヾ(๑╹◡╹)ノ"ヾ(๑╹◡╹)ノ"

 

「シラミ」って「シラス」語感が似てるから、たぶん食べたらおいしいんだろうな、じゅるヾ(๑╹◡╹)ノ"



 

 

 

 

 

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