うきよのおはなし~江戸文学紹介ブログ~

江戸文学に少しでも興味を持つ方が増えれば良いなと。

「骨まで愛して」とはこういうことなのですね。 ~「青頭巾」(『雨月物語』より)その4~

「青頭巾」[『雨月物語』より]の続きだよ!

北見花芽夏バテのため、更新遅れがちになってるよ!

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※この記事では、霞亭文庫の画像を適宜改変して利用しています
霞亭文庫書誌詳細
※画像はクリックすると拡大します。

翻刻

なりぬ。ふところの璧(たま)をうばハれ。挿頭(かざし)の花を嵐にさそハれ
しおもひ。泣に涙なく。叫(さけ)ぶに聲なく。あまりに嘆(なげ)かせたまふ
まゝに。火に焼(やき)。土に葬(はうむ)る事をもせで。臉(かほ)に臉をもたせ。手に
手をとりくミて日を経(へ)給ふが。終(つひ)に心神こゝろ)ミだれ。生(いき)てありし
日に違(たが)はず戯(たはふ)れつゝも。其肉(にく)の腐(くさ)り爛(たゞる)るを吝(をし)ミて。肉を吸(すひ)
骨(ほね)を嘗(なめ)て。はた喫(くら)ひつくしぬ。寺中の人々。院主(じゆ)こそ鬼に
なり給ひつれと。連忙(あハたゞしく)逃(にげ)さりぬるのちは。夜(よな)/\里に下りて
人を驚殺(おど)し。或ハ墓(はか)をあばきて腥(なま)/\しき屍(かばね)を喫(くら)ふあり
さま。実(まこと)に鬼といふものは昔物がたりにハ聞もしつれど。
現(うつゝ)にかくなり給ふを見て侍れ。されどいかゞしてこれを征(せい)し
得ん。只戸(いへ)ごとに暮をかぎりて堅(かた)く関(とざ)してあれば。近曽(このころ)ハ
国中(くになか)へも聞えて。人の往来(いきき)さへなくなり侍るなり。さるゆゑの

赤字が前回のくずし字クイズの答えです。


【現代語表記】

なりぬ。
懐(ふところ)の璧[玉](たま)を奪われ、挿頭(かざし)の花を嵐に誘われし思い、泣くに涙無く、叫(さけ)ぶに声無く、余りに嘆(なげ)かせ給うままに、火に焼(や)き、土に葬(ほうむ)る事をもせで、臉[顔](かほ)に臉を持たせ、手に手を取り組みて日を経(へ)給うが、終(つい)に心神(こころ)乱れ、生(いき)て在りし日に違(たが)はず戯(たはぶ)れつつも、其の肉(にく)の腐(くさ)り爛(ただ)るるを吝[惜](おし)みて、肉を吸(す)い、骨(ほね)を嘗[舐](な)めて、果(はた)喫[喰](くら)い尽くしぬ。
寺中の人々、「院主(じゅ)こそ鬼に成り給いつれ」と、連忙[慌ただしく](あわただしく)逃(にげ)去りぬる後(のち)は、夜(よ)な夜な里に下りて、人を驚殺[脅](おど)し、或いは墓(はか)を暴(あば)きて、腥[生](なま)々しき屍(かばね)を喫(くら)う有り様。
実(まこと)に鬼という物は昔物語には聞きもしつれど、現(うつつ)にかく成り給うを見て侍れ。
されど、如何(いかが)してこれを征[制](せい)し得ん。
只、戸[家](いへ)ごとに暮を限りて堅(かた)く関[閉](とざ)してあれば、近曽[この頃](このごろ)は、国中(くになか)へも聞こえて、人の往来(いきき)さえ無くなり侍るなり。
さる故の

【さっくり現代語訳】

(少年はとうとう亡くなって)しまいました。

まるで大事に懐にしまっていた宝石を奪われ、頭に挿していたを嵐に飛ばされたかのように、住職が枯れるまで泣きが出なくなるまで叫びました。

そして、悲しみのあまり、火葬して埋葬することもしないで、頬ずりをして、からめ少年が生きている時と同じように ペロペロチョメチョメ 愛でて過ごしたのです。

そのうち、とうとう、住職精神異常をきたして、少年がどんどん腐っていくのを残念に思い、

「このまま腐り果ててしまうぐらいなら、自分の体の中に入れてしまおう」と、

をじゅるっと吸いしゃぶって、とうとう少年死体を全て食べ尽くしてしまったのです。

寺中人々は、「住職様が鬼になってしまわれた!」と大慌てで逃げ出してしまいました。

それからとなった住職は、夜な夜な山の上のからに降りてきて、人々襲い掛かったりを掘り起こして死にたてホヤホヤの新鮮な死体食べたりするのです。

しかしまあ、と言う存在は昔話ではよく聞くものの、実際にこの目で見ることになるとは思いもしませんでした。

なんとかしたいものですが、私たちは、ただ、家々でが暮れたらしっかり戸締りをして、閉じこもるしかありません。

最近は、下野(しもつけ)の国中にもこのことが知れ渡って、このへの行き来もなくなってしまいました。

そういうわけで、

【解説】

「懐の璧(ふところのたま)」「璧」という字は「完璧(かんぺき)」「璧」と同じ字です。

「壁(かべ)」と間違える方が多いのでご注意を!

「壁(たま)」は下の部分が「玉」で、「壁(かべ)」は下の部分が「土」ですからね!

それにしても、「食べちゃいたいほどカワイイ」とは言いますが、本当に食べちゃうとはね。。。

しかも、人の肉の味目覚めてしまったみたいで、関係のない人の死体の肉まで食べるようになるとはね。。。

気になるのは、「おどす」と言う言葉に「驚殺す」という漢字を当てていること。

「殺」という漢字を使っているということは、鬼の住職は、墓を掘るだけでなく、を襲って殺して食べちゃうこともしてたということかしらん?

食人といえば、佐川君を思い出します。

知らない人は各自検索、、、しない方がいいと思います(笑)

検索して気分を害されても、私は一切、責任は持てませんので!

実は私、本物の佐川君を一度だけ見たことがあります。

もう、十年以上前になりますか、とあるイベントに行ったら、佐川君出展してたんですよ。

なんか、自分が描いたとか売っていました。

もちろん、やっぱりなんか怖いから、私は遠巻きにその姿を見ただけですが、いやあ、正直、知らなかったら、タクシーの運ちゃんかなんかに見える普通の人です。

たぶん、電車にいても気づきません。

だから、余計に恐怖を感じましたがね。

普通に見える人でも、何をしているかわからないというね。

次回予告とくずし字クイズ

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ヒントっ!

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よく出てくる字は、ちょっとだけヒントっ!

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