『浦島太郎』の続きだよ!
僕も竜宮城に行ってみたいなあ。
国立国会図書館デジタルコレクション - 御伽草子. 第21冊 (浦嶌太郎)
【原文】
卯《う》の花《はな》や先《ま》づ咲きぬらん。
池《いけ》の蓮《はちす》ハ露《つゆ》かけて、汀《ミひは》涼しき漣《さゞなミ》に、水鳥 数多《あまた》遊びけり。
木々《きぎ》の梢も茂りつゝ、空に鳴きぬる蝉の声。
夕立過ぐる雲間より、声立て通る時鳥《ほとゝぎす》、鳴きて夏《なつ》やと知らせけり。
西は秋と打ち見えて、四方《よも》の梢も紅葉《もみぢ》して、籬《ませ》の内なる白菊や。
霧立ち込むる野辺の末、真萩が露を分け/\て、声ものすごき鹿の音に、秋とのミこそ知られけれ。
さて又北を眺むれば、冬の景色と打ち見えて、四方の木《こ》ずゑ[梢]も冬枯《ふゆが》れて、枯葉《かれば》に置ける初霜や。
山/\や、たゞ白妙《しろたえ》の雪《ゆき》に埋《むも》るゝ谷の戸に、心細くも炭窯《すみがま》の煙《けぶり》に著《しる》き賤《しづ》が業《わざ》。
冬《ふゆ》と知らする気色《けしき》哉《かな》。
【くずし字クイズの答え】
にしハ
あきとうちみえて。四方(よも)の
こずゑももみぢして。
【ざっくり現代語訳】
ウツギの花がまず咲いています。
池の蓮は露をたくわえ、水際の涼しげな小波で、多くの水鳥が遊んでいます。
木々の梢[こずえ][木の幹や枝の先の方]も青々と茂り、空に蝉の鳴き声が響きます。
夕立が降った後の雲の間から、ホトトギスが鳴いて通る声が聞こえて、ああ夏なんだなあと実感します。
西は秋の景色のようで、どの梢も紅葉して、籬垣[ませがき][垣根の一種][「おマセな子ども」の事ではない]の内側には白菊が咲いています。
霧が立ち込める野原の、露がついた真萩をかき分けるように、鹿のものすごい声が聞こえてきて、秋であることを実感します。
さて、北を見れば、冬の景色のようで、どの梢も冬枯れして、枯れ葉に初霜が降りています。
山々では白い雪が谷の入り口を埋めて心細くなりますが、誰もいないのではなく、炭窯の煙が昇っているのが見えて、山の民が働いているのが分かります。
これぞ冬の訪れを知らせる情景と言えるでしょう。
【解説】
このページはストーリー展開がなく、四方の四季の情景が述べられるだけなので、正直、読んでて眠くなります(笑)
おそらく、当時の子どもはこの描写で四季の風物詩を知ったのでしょうね。
読んで聞かせる大人は、みなさんが感じたように、「『源氏物語』っぽくね?」って思ったことでしょう。
次回予告とくずし字クイズ
浦島太郎は女房に何やらお願いをしているようですが?
いよいよ、あのラストに向かって話が進み始めるようです!
主人公の名前はわかりますよね。
ヒントっ!
このチョコンは前も出てきましたが、覚えていますか?
三つ目コーナー
ねえ、ねえ、僕はどの季節の景色にいるのが似合うかな?
そりゃあ、夏だろう。
そうだね、やっぱり夏にお化けは付き物だからね!
いや、単に君の存在が暑苦しいからでしょ。
君にだけは言われたくないよ。
◆北見花芽のほしい物リストです♪ ご支援よろしくお願いします♪
いただいたぺんてる筆のレビューはこちら♪ NEW!
◆オススメ書籍 私もちょっとだけ書いてます♪
西鶴作品が現代語でわかりやすく読めます♪
江戸の男色文学を紹介するエッセーなどが掲載されています♪
◆北見花芽 こと きひみハマめ のホームページ♪
◆はてなIDをお持ちでない方も、拍手で応援していただけたら嬉しいです♪
(コメントもできます)
◆ランキング参加してます♪ ポチしてね♪
◆よろしければ はてなブックマーク もお願いします。憧れのホットエントリー(笑)