今日から「うきよのおはなし(はてな)」一周年記念企画、『男色比翼鳥』巻1の1の読み直しを始めるよ!
取り上げて欲しい作品やテーマは引き続き募集中だよ!
※この記事では、国立国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜改変して使用しております。
男色比翼鳥 6巻. [1] - 国立国会図書館デジタルコレクション
※画像はクリックすると拡大します。
【翻刻】
一 願ハ同二人少人 一之巻
四季(き)に花(はな)在(まし)人に恋(こい)有遊女(ゆうじよ)にふかま若衆に念友(ねんゆう)みな
是(これ)陰陽(いんよう)の二ツ天地和合(てんちわがう)の道理まことなる哉たへなる哉
今(いま)此(この)土(ど)に生(せう)をうけ仁義礼智信(じんぎれいぢしん)の五常(じやう)をわすれんや
なかんづく信(まこと)有ル恋といつは男色(なんしよく)の義理(ぎり)にとゞめたり
爰に丹後(たんご)の国(くに)片野(かたの)といふ所に唐崎音羽(からさきをとハ)之丞(ぜう)とゆふ
少(せう)人田舎(いなか)にハ珍しき美形(びげい)父(ちゝ)ハ北国(ほつこく)の国主(こくしゆ)につかへ
れき/\の侍(さむらひ)なりしが少(すこし)のあやまりゆへ牢(らう)/\の身と
成此所に母かたの伯母(をば)ありしをたのミきたりて年月
を送(をく)りしが音羽之丞五歳(さい)にて母におくれ八歳の
年父にはなれみなし子と成伯母のやういくにて人と
【現代語表記】
一、願いは同じ二人少人 一の巻
四季(き)に花(はな)在(ま)し、人に恋(こい)有り。
遊女(ゆうじょ)に深間(ふかま)、若衆に念友(ねんゆう)。
皆、是(これ)、陰陽(いんよう)の二つ、天地和合(てんちわごう)の道理。
誠(まこと)なるかな、妙(たえ)なるかな。
今(いま)、此(こ)の土(ど)に生(しょう)を受け、仁義礼智信(じんぎれいちしん)の五常(じょう)を忘れんや。
就中(なかんずく)、信(まこと)有る恋と言っぱ、男色(なんしょく)の義理(ぎり)に留めたり。
爰(ここ)に丹後(たんご)の国(くに)片野(かたの)と言う所に、唐崎音羽(からさきおとわ)之丞(じょう)と言う少(しょう)人、田舎(いなか)には珍しき美形(びけい)。父(ちち)は北国(ほっこく)の国主(こくしゅ)に仕え、歴々(れきれき)の侍(さむらい)なりしが、少(すこ)しの誤(あやま)り故(ゆえ)、牢々(ろうろう)の身と成り、此の所に母方の伯母(おば)在りしを頼み来たりて、年月を送(おく)りしが、音羽之丞、五歳(さい)にて母に遅れ、八歳の年、父に離れ、孤児(みなしご)と成り、伯母の養育(よういく)にて人と
【さっくり現代語訳】
一、願いは同じ二人の少年 一の巻
四季には折々の花があり、人には恋があります。
遊女には情夫がいて、若衆には兄分がいます。
これらは全て陰と陽のようにワンセットで、天と地のように分けることが出来ない存在です。
このことは嘘偽りなく、素晴らしいことです。
今、この世に生まれたからには、仁・義・礼・智・信(じんぎれいちしん)という、人として守らなければならない、五つの教えを忘れてはなりません。
特に、真実の恋と言えば、男色における義理人情に勝るものはありません。
さて、丹後(たんご)国[現在の京都府北部]片野(かたの)という所に、唐崎音羽之丞(からさきおとわのじょう)という少年がいました。
音羽之丞は、田舎では珍しい美少年でした。
父は東北の大名に仕え、それなりの身分の武士だったのですが、ちょっとばかりしくじって浪人となり、この片野に住んでいる母方の伯母を頼って来て、世話になることになりました。
しかし、音羽之丞が五歳の時に母が亡くなり、八歳の時には父も亡くなり、みなしごハッチとなってしまったので、伯母が養って育て上げ、
【解説】
はい、一周年企画とか言っちゃってますけど、いつも通りです(笑)
『男色比翼鳥』(なんしょくひよくのとり)は宝永四[1707]年刊で、東の紙子作、奥村政信画と記されていますが、東の紙子は変名で、文章も奥村政信が書いたとする説が有力です。
このページではまだ主人公と思われる若衆が登場しただけなので、次回以降に何か展開があるのでしょう。
前回のくずし字クイズの答え
次回予告とくずし字クイズ
音羽之丞は成長したようです。
ヒントっ!
最後の三文字の漢字が読めるかどうかがポイントですね。
三つ目コーナー
今日で、ちょうど「うきよのおはなし(はてな)」を開始してから一年が経ちました!
知ってる? 来年の9月11日には2周年になるんだよ!
そうだね、再来年の9月11日には3周年になるね(棒読み)。
◆北見花芽のほしい物リストです♪ ご支援よろしくお願いします♪

岩崎 冷水筒 横にも置ける フェローズ 縦横ハンドルピッチャー 2.2L ネクスト K-1297NB
- 出版社/メーカー: 岩崎
- 発売日: 2015/03/21
- メディア: ホーム&キッチン
- この商品を含むブログを見る
◆オススメ書籍 私もちょっとだけ書いてます♪
西鶴作品が現代語でわかりやすく読めます♪
江戸の男色文学を紹介するエッセーなどが掲載されています♪
◆北見花芽 こと きひみハマめ のホームページ♪
◆はてなIDをお持ちでない方も、拍手で応援していただけたら嬉しいです♪
(コメントもできます)
◆ランキング参加してます♪ ポチしてね♪
◆よろしければ はてなブックマーク もお願いします♪
憧れのホットエントリー! ← 実はホットエントリーが何だかよく分かってないw