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キツネの恋わずらい ~『玉水物語』その3~

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玉水物語 2巻 | 京都大学貴重資料デジタルアーカイブ
※この記事では、京都大学貴重資料デジタルアーカイブの画像を、適宜改変して使用しています。

【原文】

 姫君帰らせ給ひぬれバ、狐も「かくて在るべき事ならず」と思ひて、我が塚へぞ帰りける。
 つく/゛\と座禅して身の在様《ありさま》を観《くわん》ずるに、
「我、先の世に如何《いか》成る罪の報《むく》ひにて、かゝる獣《けだもの》と生まれけん。
 美《いつく》しき人を見初《そ》め奉《たてまつ》りて、及バぬ恋路に身を窶《やつ》し、徒《いたづら》に消へ失せなんこそ悲しけれ」
と打ち案じ、さめ/゛\と打ち泣きて伏し思ひける程に、
「良き人に化けて此《こ》の姫君に逢《あ》ひ奉らバや」
 と思ひけるが、また打ち返し思う様《よう》、
「我、此の君に逢ひ奉らば、必ず御身 徒《いたづら》に成り給ひぬべし。
 父母《ちゝはゝ》の御嘆《おなげ》きと言ひ、世に類《たぐひ》無き御有様成るを徒《いたづら》為《な》し奉らん事、御労《いたハ》しく」
 兎《と》や角《かく》やと思ひ乱れて明かし暮しける程に、餌食《ゑじき》をも服せねバ、身も疲れてぞ伏し暮らしける。
「もしや、またも見奉る」とかの花園に蹌踉《よろぼ》ひ出れば、人に見られ、有るハ飛礫《つぶて》を負ひ、有るは神頭《じんどう》[矢の先に付ける矢尻の一種]を射掛けられ、いとゞ心を焦がしけるこそ哀れなれ。
 中々《なか/\》に露霜《つゆじも》とも消へやらぬ命、物憂く思ひけるが、

「如何《いか》にして御側《おそば》近く参りて朝夕見奉り、心をも慰《なぐさ》めバや」
 と思ひ巡らして、在《あ》る在家《ざいけ》の元に男子《おのこ》バかり数多《あまた》有りて、女子《おなご》を持たで、「多き子共の中に獨り女ならましかば」と


【予習の答え】

我先のよにいか成つミのむくひ
にてかゝるけたものと生れけん

【さっくり現代語訳】

 姫君がお帰りになったので、キツネも「こんなことしてちゃいけない」と思って自分の巣に帰りました。
キツネは邪念を払おうと座禅に打ち込むものの、
前世でどんなを犯したせいで、こんなケダモノに生まれ変わってしまったのだろうか。
 美しい人一目惚れをしても、所詮《しょせん》ケダモノには叶わぬ恋なので、思い慕うことしかできないままやせ衰え、この世から儚《はかな》くも消え失せてしまうかと思うと、悲しくて仕方がない」
 と自分の身の上を恨んで嘆き、しくしくと泣いて突っ伏すのでした。
 そして、ふと、
イケメン化けてこの姫君にお会いすれば良くね?」
 と思いましたが、考え直して、
「いやいや、もしがこの姫君と結ばれてしまったら、ケダモノと交わったせいで姫君お体は汚(けが)れてしまうことでしょう。
 姫君がまたとない美貌をお持ちで、ふさわしい宮仕えお輿《こし》入れがなされるはずだったのに、のせいでそれが全てパーになってしまい、ご両親もお嘆きになるかと思うと、申し訳なくて」
 と、なんだかんだ狂わんばかりに、エサも食べれないくらい思い詰め、すっかり衰弱して寝込んでしまいました。

「ひょっとしたら、またお目にかかれるかもしれない」
 と、弱ったを起こして何とか例の花園にヨボヨボとよろめきながら出かけて行くこともありましたが、姫君にお目にかかれないばかりか、に見つかってしまい、ある時はを投げられ、ある時はを射られる始末。
 キツネはただただ激しく恋焦がれることしかできず、その様子はそれはまあ哀れなものでした。
 露や霜のように簡単には消えてしまわないので、キツネは辛くて仕方ないのですが、
「なんとかして、姫君お側近くに仕え、朝晩そのお姿拝見するだけでも、心の慰《なぐさ》めにはなるだろう」
 と色々と思案をめぐらせました。
 ある町の家で、男の子ばかりたくさんいて、女の子がいないので、「こんだけ多い子供の中に、一人でも女の子がいればなあ」と、

【解説】

なるべく忠実そうとは思ってるのですが、それだとつまんないばかりか、わかりにくいので、ちょっと大胆しております♪

キツネの激しい恋わずらいです。

このキツネ前世人間だったようです。

だから人間をしてしまったのですね。

百合系の話だと話題になっていたのですが、このキツネたぶんオスですよね。

当時の女の人座禅組まないでしょうし。

姫君将来を考えて自分欲望を満たすのをためらう、理性を持ち合わせた立派なキツネのようです。

次回の予習

キツネ特技を生かしたようです。

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三つ目コーナー

僕も北見花芽のことを思うと、食事がのどを通らないよ。

さっきラーメン・チャーハン・餃子セット大盛りを完食してたよね。

 

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