【要約】
桃太郎はお殿様から、鬼ヶ島の宝物を献上した御褒美として、十万石の領地を与えられました。桃太郎一家は繁栄し、桃太郎は嫁を迎えました。
爺は百七歳、婆は百歳ぐらいになりましたが、桃を食べたおかげで、五十歳にも見えない若さを保っています。
北尾政美(きたおまさよし)画『桃太郎一代記』天明元[一七八一]年刊
桃太郎一代記 5巻 - 国立国会図書館デジタルコレクション
※この記事では、国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜加工して使用しています。
【翻刻】【補足表記】【現代語訳】
もゝ太良ハ御ほうひ◆十万石いんきよ◆地を下され◆めでたく◆さかへこんれい◆
するかやうにめて◆たいことハないと◆かくながいきいた◆すがたい一のた◆からて御さ◆ります
桃太良ハ御褒美十万石隠居地を下され、目出度く栄へ、婚礼する。
「斯様《かやう》に目出度い事ハ無い。兎角《とかく》長生き致すが第一の宝で御座ります」
桃太郎はお殿様から、鬼ヶ島の宝物を献上した御褒美として、隠居地の名目で十万石の領地を与えられました。桃太郎一家は見事に繁栄し、桃太郎は嫁を迎えて、婚礼の儀式を行いました。
婆[爺?]「無事に桃太郎が婚礼を行うことができ、こんなにめでたいことはありません。とにもかくにも、長生きをするのが一番の宝でございますな」
もゝ太良殿◆たんしやう◆のころ八十◆よとそんし◆たか
「桃太良殿誕生の頃、八十余と存じたが」
嫁の母「桃太郎殿がお生まれになった時、お舅《しゅうと》殿は確か八十歳ちょっとだったと思いましたが」
めてたうそんし◆ます◆おしう◆とご御ふう◆ふハもふ◆御年ハ◆いくつ◆で御さ◆ります
「目出度う存じます。御舅御《おしうとご》御夫婦は、もう御年ハ幾つで御座ります」
嫁の父「本日はまことにめでたい日でございます。お舅殿ご夫婦は、もうお幾つになられますのかな?」
よいとのこて◆御うれしかろふ
さて/\おハかいこと◆だまだ五十にハお◆ミへなされぬ
「良い殿御《とのご》で御嬉しかろ」
「さて/\お若い事だ。まだ五十にハ見へ為《な》されぬ」
仲人妻「娘さんも、こんな素晴らしい殿方に嫁入り出来て、嬉しゅうございましょう。
それにしても、お舅殿ご夫婦はお若うございますな。五十歳以下にしか見えませぬ」
わたくし百七ッ◆で御さりま◆すばゝか◆九十九か◆てうど◆で御さりましやうもゝをたべて◆からそのゝちハまだとしよつ◆たようにハおぼへまセぬ
「私《わたくし》、百七ッで御座ります。婆は九十九か丁度で御座りましやう。桃を食べてから其の後ハまだ年寄つた様《よう》には覚へまセぬ」
爺「私は百七歳になります。婆は九十九歳か、ちょうど百歳でございましょう。桃を食べてから、若返ったまま、年を取った感じが全くしません」
なかふ人
しうとどのハばけもの◆じやわかふうふもあやからしやろ
仲人「舅殿は化け物じや。若夫婦も肖《あやか》らしやろ」
仲人夫「お舅殿は化け物のようですのう。本日夫婦となった若い二人も、ぜひあやかりなされ」
【解説】
めでたく十万石の領地をゲットした桃太郎ヾ(๑╹◡╹)ノ"
十万石って、結構な大名レベルですよねヾ(๑╹◡╹)ノ"
これだけの領地を与えられる人物は、お殿様と言うより将軍なのかもしれませんねヾ(๑╹◡╹)ノ"
ただ、ここに描かれている男性はいずれも刀は一本挿しなので、身分はあくまでも農民のままなのでしょう[※武士なら刀は二本挿しています]。
なので、領地とは書かれておらず、あくまで隠居地という名目なのでしょう。
桃太郎の嫁の素性は書かれていませんが、まあ、それなりの良家の娘さんなのでしょうねヾ(๑╹◡╹)ノ"
それにしても爺と婆の年齢!
誰かその桃、私にも食べさせてっ!!!ヾ(๑╹◡╹)ノ"
あ、次回でやっと最終回です。
三つ目コーナー
[前回の続き]
何でお宝がミニカーとお酒なの?
ミニカーと言えばタカラトミーヾ(๑╹◡╹)ノ"
お酒と言えば宝酒造ヾ(๑╹◡╹)ノ"
カツラと言えば宝〇明ヾ(๑╹◡╹)ノ"
最後のは余計!ヾ(๑╹◡╹)ノ"
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