桃太郎、鬼ヶ島を征圧する　～『桃太郎一代記』その14～ - うきよのおはなし～江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ～

【要約】

桃太郎たちは鬼ヶ島の大将を生け捕りにしました。
大将の鬼「宝物は全て差し上げますから、命だけはお助けを！」
サル「桃太郎様、こいつの頭は硬そうだから、腹からぶっさしますか？」
キジ「ほろろ、ほろろ！［キジの鳴き声］」

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北尾政美（きたおまさよし）画『桃太郎一代記』天明元［一七八一］年刊
桃太郎一代記 5巻 - 国立国会図書館デジタルコレクション
※この記事では、国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜加工して使用しています。

【翻刻】【補足表記】【現代語訳】

おにかしまの大しやういけとられる◆たからものハなににてもミなあげ◆まセういのちハおたすけくた◆さりまセいのちかものたね◆てこさります◆きじんにおうとうなしと◆申ますハさうそハ◆申まセぬ
鬼ヶ島の大将生け捕られる。
「宝物ハ何にても皆差し上げまセう。命ハお助け下さりまセ。命が物種で御座ります。「鬼神《きじん》に横道《おうどう》無し」と申しますハさ。嘘ハ申しまセぬ」
鬼ヶ島の大将は生け捕りにされました。
大将の鬼「宝物はどれでも全て差し上げましょう。ですから、命はお助け下さい。命がなけりゃ何もできませぬから。「鬼神に横道なし」［「鬼神は道に外れたことをしない」という意味の慣用句］と言うように、嘘は言いませんので」

もゝ太良さまよく◆つかまいてこさ◆りまセあたま◆ハかたそうだから◆はらからいもさし◆にしてやろふ
じつとしていろ◆うこくとしやつ◆つらをひつかくそ
「桃太良様、良く捕まいて御座りまセ。頭ハ硬そうだから、腹から芋刺しにしてやろふ」
「じつとしていろ、動くとしやつ面を引つ掻くぞ」
サル「桃太郎様、しっかり押さえつけてくださいませ。頭は硬そうだから、腹から串刺しにしてやりましょう。
じっとしていろ、動くとその顔をひっかくぞ！」

きしハほろゝを◆うつていかる◆げとうめら◆てなミをミたか◆あゝつかもない
雉はほろゝを打って怒る。
「外道めら手並ミを見たか。あゝ、つがも無い［市川団十郎の決めゼリフ］」
キジは羽ばたきをして鳴いて威嚇《いかく》します。
「悪者ども、我々の力を見たか！　ああ、たいしたことない奴らじゃのう！」

あいた／＼けふこふハ◆かミなりのたいこ◆うちにはかりて◆ましやう
むかしとちかつて◆ちかいころハおに◆といふとむこめに◆あう
こめん／＼
いきかはつむ
「あいた／＼、向後《けふこふ》ハ雷の太鼓打ちにばかり出ましやう」
「昔と違つて、近い頃ハ鬼と言ふと惨目《むごめ》［？］に遭う」
「ごめん／＼」
「息が弾む」
手下の鬼「あいたたた、これからはもう、カミナリの太鼓打ちだけすることにしよう。
昔と違って、最近は鬼と言うだけでひどい目にあう。
ごめん、ごめん、息が切れる」

【解説】

　大将を捕まえるおいしい所はしっかりと持っていく桃太郎。
　サルのセリフとかもう完全にヤカラですねヾ(๑╹◡╹)ﾉ"
　戦力となるか疑問符がついたキジも、予想に反して活躍しています。
　ありゃ、今度はイヌの姿が見えませんが、おしっこでもひっかけに行ったのでしょうか？

三つ目コーナー

僕のお宝を見せてあげるよヾ(๑╹◡╹)ﾉ"

君が言うと、何でも下ネタに聞こえるヾ(๑╹◡╹)ﾉ"

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