『野傾友三味線《やけいともじゃみせん》』(宝永五[一七〇八]年刊)は、北条団水《ほうじょうだんすい》作の短編小説集です。
『野傾友三味線』というタイトルは、江島其磧《えじまきせき》作の『役者口三味線』(元禄十二[1699]年刊)や『けいせい色三味線』(元禄十四[1701]刊)がヒットしたので、それに便乗して付けられたのでしょう。
クレームが来たのか、出版された翌月には『男女色競馬《なんにょいろけいば》』とタイトルが変更されています。
『野傾友三味線』の「野傾」[「野」は「野郎」、「傾」は「傾城(遊女)」の略]とはざっくり言えば、「男色」と「女色」のことです。
男色は男同士の恋愛で、女色は男女の恋愛です。
え?女性同士の恋愛の話はないのかって?
それが、この時代には、女性同士の恋愛を描いた話がほとんどないんですよ。
その珍しい女性同士の恋愛の話は、以前に紹介しましたヾ(๑╹◡╹)ノ"
kihiminhamame.hatenablog.com
其磧は『役者口三味線』で男色、『けいせい色三味線』で女色を描いているのですが、団水は男色と女色を一冊に同時に描くという作戦に出ます。
おそらく、男色本と女色本の読者を両方得ようとしたのでしょう。
ちなみに、北条団水は井原西鶴の弟子です。
誓願寺にある西鶴の墓石にも建立者として北条団水の名が刻まれています。
※北見花芽撮影
ちなみに、団水の右に名が刻まれている「下山鶴平」という人物は、親族説や、西鶴と同じ「鶴」の字を使ってるから弟子説などがありますが、この墓石以外にはどの資料にも見当たらない謎の人物です。
正直、団水の作品は堅苦しくて西鶴の作品と比べると面白くないです(笑)
そこを北見花芽の力で面白くするんだね!ヾ(๑╹◡╹)ノ"
勝手にハードルを上げるんじゃない!
『野傾友三味線』には男色パートと女色パートがあるのですが、今回は女色パートから巻三の四「願成就《がんじょうじゅう》の宮廻《みやめぐり》」というお話を紹介したいと思います。
三つ目が好きそうなお話ですヾ(๑╹◡╹)ノ"
続くヾ(๑╹◡╹)ノ"
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『男色を描く』も合わせてお読みいただけるとより楽しめると思いますよ♪
※ こちらも北見花芽の中の人がちょっと書いていますので。
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