(天井に糸でくくられる畳 と 飛び歩く錫杖)
新日本古典籍総合データベース
※この記事では、国文学研究資料館所蔵品の画像データを適時加工して利用しています。 (CC BY-SA 4.0)
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【原文】
十八日朝、権八来たりし故、平太郎申す様《やう》ハ、「奥の間に行きて見給へ」と権八を誘《いざな》ひて見るに、居間の畳を悉《こと/\》く糸 以《も》て天井に括《くゝり》上ゲ置きしと也。
両人申し合はセ、「其の畳を下ろさん」とて、梯子《はしご》など設けし処に、其の畳、忽《たちま》ち一度に落ちける。
危うき事にて限り無く、驚きしとぞ。
その後ハ、敷物元の如くに敷き直して、権八ハ興を醒《さ》ましつゝ、帰りぬ。
夜に入りて、納戸の内より大い成る錫杖《しやくぢやう》、自《おの》づから出て、居間の内を彼方此方《あちこち》と飛び歩きけると也。
【現代語訳】
七月十八日の朝、権八が来たので、平太郎は「奥の間[居間]に行って見て下され」と言って、権八を居間に導きました。
権八が見てみると、居間の畳が全て、糸で天井に括《くく》り上げられていました。
二人は相談して、「この畳を下ろそう」と、ハシゴなどを用意していると、その畳が突然全て落ちてきました。
危うく畳の下敷きになる所で、危険極まりなく、二人はとても驚いたという事です。
それから、敷物を元のように敷き直して、権八はドン引きして帰っていきました。
夜になると、納戸の中から大きな錫杖《しゃくじょう》が勝手に出て来て、居間の中をアチコチ飛び歩いたという事です。
【解説】
久々の権八登場ですが、敷物を敷き直しに来ただけで、またもやドン引きして帰って行きましたヾ(๑╹◡╹)ノ"
天井に畳は、もはや怪異と言うより、嫌がらせのレベルに近くなってますねw
錫杖《しゃくじょう》とは、修行者が行脚《あんぎゃ》する時に持っている、ジャラジャラする鉄の杖《つえ》です。
なんか錫杖を持ったモデルさんがスタンバってるんで登場していただきましょう、モデルさんどうぞヾ(๑╹◡╹)ノ"
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